
本記事では、画像生成AIでシルエットのイラストを作るための、プロンプトの構築方法を解説しています。
今回は、以下の作例のような、さまざまなパターンのシルエットイラストをNovelAIで生成する方法を紹介していきます。

これらの作成は、いわゆる「シルエットアート」と呼ばれるものです。
AIでもプロンプトを工夫することで、いろんなタイプのシルエットアートを再現することができます。たとえば、フィルム・ノワールちっくな、コントラスト強めのギラギラした表現なんかも作ることができます。

プロンプトを工夫することで、様々なシルエットアートを再現することができます。

シルエットアートは、キャラクターの顔が描かれていない分、見る人の想像力を掻き立ててくれるのが魅力です。映画のキービジュアルやポスターなどにもよく使われていますよね。
この記事では、このシルエットアートをAIで再現するためのプロンプトの組み立て方を、分かりやすく丁寧に解説していきます。そのまま使える「まるごとプロンプト」も紹介していますので、ぜひ気軽に試してみてください。
シルエットアートの基本プロンプト構成
黒いシルエットを作る基本プロンプト
それではプロンプトを見ていきましょう。
まずは、ざっくり簡単に再現するプロンプトから紹介していきます。

black silhouette girl, faceless, full body, standing, posing, silhouette dress, wind, playing black silhouette guitar, long shadow, gray simple background, sidelighting, backlighting, lens flare
内容 | プロンプト |
---|---|
シルエットの少女 | black silhouette girl |
シルエット姿のドレス | silhouette dress |
– シルエット補強用 | faceless |
キャラクターをシルエットにするには、「silhouette girl」のように記述します。これだけで、ひとまずシルエット姿として生成されます。
ただ、シルエットの指定をしていても、顔だけが再現されてしまうこともあるので、念のために「faceless」も加えておくのがおすすめです。
シルエット化したい要素に「silhouette」を付ける
シルエットにしたいものには、先頭に「silhouette」をつけるとシルエットになります(そのまんま、ですね)。
着ている服や、持っているアイテムなどにも「silhouette」をつけておくと、より安定します。このあたりは、一度生成を試してみて、全体的にちゃんとシルエットになっていればOKです。逆に、意図せず普通に再現されてしまった部分がある場合は、その部分のプロンプトにも「silhouette」を加えてみてください。
カラーシルエットのプロンプト例

blue silhouette girl, faceless, silhouette body, silhouette long hair, pony tail, silhouette dress, full body, from side, posing, floating hair, walking, wind, holding silhouette balloons, long shadow, white simple background
全文プロンプトは作例左側(青色シルエットの少女)です。
内容 | プロンプト |
---|---|
青色シルエットの少女 | blue silhouette girl |
– カラーシルエットの少女 | [color] silhouette girl |
これもとても簡単です。「blue silhouette girl」のように、「silhouette」の前に色のプロンプトを加えるだけでOKです。
シルエットに合う背景プロンプト集
次は、わたしがお勧めする、シルエットとの組み合わせに相性のいい背景プロンプトを紹介します。
ネオンカラー背景とシルエットの組み合わせ

black silhouette girl, faceless, silhouette dress, full body, standing, dance posing, wind, long shadow, sidelighting, neon muted orange simple background
全文プロンプトは作例右側(橙色シルエットの少女)です。
内容 | プロンプト |
---|---|
ネオン背景 | neon background |
– ネオンカラーの背景 | neon [color] simple background |
「neon background」は、背景がネオンで光っている状態になります。大体は、ネオン街っぽい雰囲気のものが再現されます。
作例の真ん中や右側のように、単色系のネオン背景にしたい場合は「green neon simple background」のように記述します。色がかなりどぎつく出ることもあるので、「muted(くすみ色)」のプロンプトを加えるのもおすすめです。
湖の鏡面反射とシルエットを組み合わせる方法

black silhouette girl, faceless, very long hair, silhouette long dress, full body, close-up, standing on water, tiptoes, from side, t-pose, floating hair, wind, calm lake surface, reflection, reflected world, horizon, sunset, blurry background
内容 | プロンプト |
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湖の鏡面反射の背景 | calm lake surface, reflection, reflected world, horizon |
鏡面反射そのものは、「lake, reflection」と記述するだけでも、ある程度は再現が可能です。
ただ、より安定させたい場合は、湖の波紋をできるだけ抑えるように指示しつつ、カメラアングルがキャラクターに対して水平になるよう指定すると、全体が綺麗にまとまります。
そのため、「calm lake surface(水面の静かな湖)」という指定を加えた上で、「horizon(水平線)」のプロンプトも入れています。horizon を入れると、だいたい地平線が画面の中央付近にくるので、結果的にカメラアングルがキャラクターのウエストあたりに固定されやすくなります。
星空と都会を背景にしたシルエットプロンプト

black silhouette girl, sprinting pose, close-up body, black silhouette mini skirt, from below, from behind, dutch angle, fisheye, sunbeams, backlighting, city below, sunset, starry sky
内容 | プロンプト |
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都会と星空の背景 | city below, sunset, starry sky |
服装などを指定する際は、「black silhouette mini skirt」のように、1つ1つのアイテムに「silhouette」を加えておくと安定します。
また、シルエットのイラストは「sunbeams, backlighting(逆光の太陽の光)」のような光のプロンプトを入れてあげると、より綺麗な仕上がりになります。
ダブルエクスポージャー風シルエットのプロンプト構成
続いて、ダブルエクスポージャーシルエットの再現方法を紹介します。
これは、シルエットの中に別の風景(都市の街並みや空模様など)が描かれるタイプの表現です。

black girl silhouette with blue sky pattern, faceless, shadowed, silhouette dress, urban city inside own body, holding umbrella, standing, feet out of frame, white to gray ombre background, double exposure art
内容 | プロンプト |
---|---|
シルエットの中に空模様 | black girl silhouette with blue sky pattern |
シルエットの中に都市の街並み | urban city inside own body |
ダブルエクスポージャーシルエット | double exposure art |
再現の仕方には2種類あります。ひとつは、対象となるシルエットのプロンプトに「〜 with blue sky pattern」のように繋げるパターンです。
もうひとつは、「urban city inside own body」のように、inside を使って記述する方法です。それぞれの「blue sky」や「urban city」の部分は、好きなものに変更できます。
「double exposure art」は、おまじない的な感じで入れておくとよいです。
シルエットの輪郭を崩すためのプロンプト
シルエットのイラストは、境界線をあえて崩したり、少し曖昧にしたりすることで、また違った印象に仕上げることができます。
ここでは、今回実際に再現を確認しながら作成したプロンプトを紹介していきます。
断片化した輪郭

fragmented outline
境界から粒子が飛び散る

scattered particles from edge
砕けた境界

shattered outline
崩壊していくシルエット

disintegrating silhouette
溶けて崩れる輪郭

melting outline
煙のように崩れる輪郭

smoke-like edges
内容 | プロンプト |
---|---|
断片化した輪郭 | silhouette with fragmented outline |
境界から粒子が飛び散る | silhouette with scattered many little particles from edge, disintegrating silhouette |
砕けた境界 | silhouette with shattered outline |
崩壊していくシルエット | disintegrating silhouette |
溶けて崩れる輪郭 | silhouette with melting outline |
煙のように崩れる輪郭 | silhouette with smoke-like edges |
プロンプトの書き方には2種類あります。「silhouette with 〜」のように繋げるパターンと、「〜 silhouette」といった形式で書くタイプです。
もしシルエットの輪郭の崩れ具合が弱いと感じたときは、「disintegrating silhouette」もあわせて入れておくと、それぞれのプロンプトの効きが強まりやすくなります。
まとめ

今回は、AIイラストでシルエットアートを再現するためのプロンプトの組み立て方を紹介してきました。
まずは、「silhouette girl」や「faceless」などを使ったベーシックなプロンプトの基本形から始まり、色付きのシルエットや、ネオン・湖・星空といった背景との組み合わせまで、さまざまなバリエーションに触れました。
さらに、ダブルエクスポージャーのように内部に別の風景を描くプロンプトや、シルエットの輪郭を崩して独特な表現にするテクニックについても解説しています。
どのパターンも、少しずつプロンプトを調整しながら試してみることで、自分なりの表現がきっと見つかると思います。
ぜひ、気になったものから実際に生成してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。