
本記事では、OpenAIの動画生成AI「Sora」の使い方と、実際に動画を作る際に使ったプロンプトをまるごと紹介しています。
ChatGPTを開発したOpenAI社は、2025年9月30日に動画生成AI「Sora」を大幅にアップデートし、「Sora 2」を発表しました。
このSora 2、とにかくすごいです。
このような動画が日本語の短めのプロンプトを指示するだけで簡単に作れてしまいます。
もちろん実写も簡単に生成可能です。
すごいポイントを簡単にまとめると ──
このあたりがとにかく魅力的で、「気軽に動画生成AIで遊べる」という点が本当にすごいなと思います。
なかでも一番驚いたのは、「無料でここまでできてしまうの?」ということ。
公式のプレスリリースを確認してみても、現時点では無料で機能を開放しているとのことでした。動画生成AIが無料で使えるというのは、なかなか前例がないのではないでしょうか。
というわけで今回は、「そもそもSora 2って何?」という方に向けて、基本的な使い方を紹介しながら、実際にわたしがSora 2で生成した動画と、そのとき使ったプロンプトをそのまま公開していきます。
Sora 2の使い方と基本機能の解説
Sora 2の基本機能について
まずは、Soraにアクセスする方法からご紹介します。

項目 | 内容 |
---|---|
サイトURL | https://sora.chatgpt.com/login |
料金 | 当面は無料(公式HPより) |
回数制限・上限 | 100回 / 日? ※ |
アプリ | iOSアプリ「Sora by OpenAI」も同時に公開されています。 |
Cameo(カメオ)機能 | 一度の本人確認用録画を行うだけで、自分(や許可した友人)を見た目も声もそのままに、任意のシーンへ「出演」させることができます。権限は所有者が管理でき、いつでも取り消し・削除が可能です。 |
映像と音の同期生成機能 | 音声や効果音も含めて一本の「作品」として一気通貫で作ることができます。 |
動画は無料アカウントで生成可能です(2025年10月2日の時点で確認済)。
動画生成の回数制限について
※ 100回ほど動画を生成したところ、「上限に達したので暫く待ってください」といった内容のメッセージが表示されました。
その後、数時間経ってから再び使えるようになりました。
わたしの場合、それがたまたま日付をまたいだタイミングだったため、1日ごとにリセットされるのか、一定時間が経過すれば解除されるのかは不明です。
アカウント登録とログイン手順(ChatGPTと共通)
まずは、シンプルにアカウント登録を行います。
SoraはOpenAI共通のアカウントで利用できるため、ChatGPTなどと同じアカウントでログインできます。
すでにChatGPTのアカウントをお持ちの場合は、そのままログイン可能です。
まだアカウントをお持ちでない方は、以下のような画面が表示されるので、まずはアカウント登録から始めてください。
このあたりは特別な操作もなく、普通にシンプルにアカウントを作る流れです。

アカウント登録が完了すると、次にアカウント名を設定する画面が表示されます。
ちなみにSoraには、AIだけの動画共有SNSとしての側面もあり、「Sora 2=AI版TikTok」といったイメージに近いかもしれません。

Sora 2の招待コードの取得方法と使い方
この記事を書いている2025年10月2日時点では、Sora 2は招待制のSNSのような形で提供されています。
そのため、サービスを利用するには招待コードの入力が必要です(ChatGPTの課金・無課金ユーザー問わず招待コードが必要)。
実際にこのように、招待コードの入力を求める画面が表示されます。


ここで招待コードを入力すると、晴れて「Sora 2」が使えるようになります。
では、その招待コードはどうやって手に入れるのかというと ──
これが今のところ、いちばん手っ取り早いやり方です。
本当はこの記事に招待コードを載せられたらよかったのですが、1人が招待できる人数には「4人まで」という制限があり、わたしはすでに使い切ってしまいました…。最初に登録したとき、その制限をよく理解せずに使い果たしてしまったんです。
ただ、わたし自身もXで上記の方法を使って招待コードを入手しました。少しSNSに張り付いて粘る必要はあるかもしれませんが、現時点ではこの方法が一番確実だと思います。
ちなみに、X上では招待コードをリレー形式でつないでいる方も見かけます。これは、誰かがコードで登録したら、その人がまた自分のコードを発行して、次の人に渡していく…というやり方です。招待の流れが途切れないように、みんなで回しているんですね。
OpenAIは、Sora 2を当面は無料で開放すると発表しています。なので、AI動画に興味がある方は、少し粘る覚悟で、今のうちにアカウントを作っておくのがおすすめです。
日本語プロンプトで動画を生成する手順と初期例
招待コードを入力すると、Sora 2へのログインが完了します。
ログイン後は、画面下部に入力欄が表示されるので、そこに生成したい動画の内容を記入します。

試しにひとつ動画を作ってみましょう。
「学園系アニメのPV」と入力をして動画生成をしてみます。

このような感じの動画が生成されました。
たったこれだけの指示で、ここまでの動画が生成されるのは本当に驚きです。
これまでに学習してきたアニメの情報をもとに、AIが空気を読みながら「こんな感じかな?」と提案してくれるのですが ── その精度があまりにも高くてびっくりします。
Sora 2で生成した動画とまるごとプロンプト例
ここまでで、Soraの使い方をざっくりとご紹介してきました。
驚くほど簡単に動画が生成できることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
ここからは、わたしが実際にSora 2で生成してみた動画の作例と、そのとき使ったプロンプトを、そのまままるごと紹介していきます。
「どんな指示で、どんな動画ができるのか?」がイメージしやすくなると思いますので、ぜひ参考にしながらSoraで遊んでみてください。
自然な日本語の文章で指示したプロンプト例
高精細でハイコントラストなアニメのオープニングシーン
主人公の美少女が、風で舞い上がりそうになるスカートを押さえている。少し照れくさそうにしている。 カット割り多め。部活をしている生徒達、職員室の様子、など背景描写のカットシーンを入れる。爽やかな逆光で明るいフレアが入り込む。
Vtuberの生配信、投げ銭されてとても喜んでいるシーン。
こんなに短いプロンプトでもしっかり生成してくれるのが驚きです。
高精細、ハイコントラストアニメの感動的なクライマックスシーン。
病弱な幼い少女が、主人公の美少女に手紙を代筆してもらい、母親に最後の想いを残す。情緒的なピアノのBGMが流れる。カット割多め。人物のいない景色のカットも盛り込む。死を前提とした別れを描きつつ、淡々とした日常の中に圧倒的な哀しさが漂う。
動画の雰囲気をひたすらに日本語の表現で指示してみた例です。
カメラアングル・カメラワークを指定したプロンプト例
プロの撮影現場シーン。爽やかな夏の今時の制服のCMのための撮影を行なっている。砂浜のロケーション。制服を着た黒髪ポニーテールのモデルが素足でポーズをとっている。近くにスタッフがレフ版を持って立っている。コマ割り多め。アングルを効果的に切り替える。スローティルトアップを効果的に使う。
女子高生の今時の制服のCM、可愛らしい黒髪のモデル3人が、ダンスを通してスカートの可愛さと生地の品質の良さをアピールする。超高精細映像。カット割多め。
とりあえず「カット割多め」と指定しておくと、カメラワークを空気を読んで切り替えてくれます。
真夏の渋谷の街頭インタビュー。爽やかな今どきの女子高生二人が、携帯型のミニ扇風機がいかに優れたアイテムかを熱弁する。画面にはテロップも入っている。ワイプで番組司会者の表情も映っている。
よくあるテレビ番組のシーンです。「ワイプ」などの言葉もそのまま試しに使ってみたのですが、ちゃんと意図を理解してくれています。
超高精細・ハイコントラスト画質、美女2人の格闘シーン。
インパクトの瞬間がスローモーションになり、衝撃で小さな雨粒が周囲に舞い散る。カット割多め。orbit tracking shotを効果的に活用し、目まぐるしく2人の格闘シーンが切り替わる。大雨の高層ビルの屋上、眼下に都市の夜景。
英語と日本語を動画内で混在させるプロンプト例
ディザスター映画の予告CM、カット割多め。壮大なスケール感。映画内のシーンは全て英語。予告ナレーションは、渋い声の男性の日本語。
英語と日本語を混在させることもできるみたいです。
シーン全体のカット数を指定したプロンプト例
プロの撮影現場。日本人の今時の夏制服を着たモデルの撮影風景。可愛い表情で様々なポーズを決めている。ポーズは、カメラマンのシャッター音に合わせて、様々に変化させている。6カットになるように構成を最適化。ティルトアップで足からスカートまでを描写するカットを挟む。ピローショットを挟む。モデルを様々な角度から描写。最後はモデルの顔のクローズアップ。
「6カットになるように」という指定を入れました。具体的なカット数を入れておくと、比較的指定したカット数に近づけて作成してくれます。カメラアングルも変わるのでアリです。
カット割を詳しく指示したプロンプト例
超高画質、ハイコントラストアニメーション
10秒CM、新作アニメ予告、夏のノスタルジックなアニメ
映像の説明:舞台は夏の田舎町。蝉の声が響き、夕暮れの柔らかな光に包まれている。
カット1 (3秒):
古びた商店街の路地。風鈴が揺れ、夕焼けの光で赤く染まったアスファルトに長い影が伸びる。
カメラは静かに横移動し、どこか懐かしい街の風景を切り取る。
カット2 (4秒):
セーラー服の女子高生が自転車を押しながら坂道を登っている。汗をかいた額を手で拭い、ふっと空を見上げる。
遠くには広がる青空と入道雲。彼女は小さくつぶやく。
セリフ:「…この夏、きっと忘れない」
カット3 (3秒):
彼女が坂の上に立ち止まり、眼前に広がる田園風景を見つめる。風にスカートと髪が揺れる。
カメラはローアングルから空へとパンアップし、真っ赤な夕焼けに溶けていく。
最後にタイトルロゴとキャッチコピー「夏の記憶が、物語になる。」が中央に浮かび上がる。
スタイル:
柔らかい色彩と手描き風の質感を重視。光は夕暮れのゴールデンアワーを基調とし、温かく切ないノスタルジーを演出。
音楽は、ピアノとアコースティックギターによる静かで叙情的なメロディ。
詳しく記述するとどうなるのかを試したくて生成してみたものです。
生成していた感覚としては、「全体が10秒であること」「カット数がいくつあるか」「カットごとに何が描写されているか」を記述すると、思った通りに近づけてくれる印象がありました。
Sora 2のt2v機能で動画を生成するポイント
ここまでに試してきた内容を踏まえて、Sora 2でt2v(テキストからの動画生成)をする際のプロンプトの書き方のコツを、あらためて整理しておきます。
このあたりが、押さえておきたいポイントになると思います。
画像をもとに動画を作る手順とプロンプト例の紹介
続いては、元となる画像をアップロードしてから動画生成を指示してみた例をご紹介します。
こちらも、実際に使用したプロンプトをそのまままるごと紹介していきます。
超高精細アニメーション。美少女キャラがTikTok風ダンスをハロウィンの日にしている。カット割多め。様々なアングルから描写。ピローショットを効果的に入れる。
この動画は、以前ハロウィンの記事で紹介したイラスト1枚を使って生成したものです。
ちなみに「ピローショット」というのは、人が映っていない風景や静物などを挿し込むカットのことを指します。
驚いたのは、Nano banana並にしっかりとキャラの一貫性を保ったまま、動画を生成してくれることです。また、映像業界で使われているカメラワークの用語をプロンプトに含めると、反映されやすい印象がありました。
超高精細・ハイコントラストアニメーション。シルエット女性のロックコンサート。
黒シルエット姿の女性がアップテンポのロックを演奏する。シルエット姿の女性はアグレッシブな動きで演奏をする。観客が拳を振り上げてリズムの乗る。熱狂的なシーン。
コマ割り多め、目まぐるしくシーンを切り替える。手持ちカメラ風で臨場感を持たせる。orbit tracking shotを活用する。
「ロックコンサート」や「TikTok風のダンス」といった、AIがイメージしやすいキーワードをプロンプトに入れてあげると、比較的しっかりした動画が生成されることが多いです。
また、「コマ割り多め」と入れておくのは、ひとつの鉄板になりそうです。
画像を添付して動画を生成する場合、キャラクターがあまり動かず、紙芝居のような仕上がりになりがちなので ── キャラクターの動きや、カメラワークの指定もあわせて入れておくと、より良い仕上がりになりやすいです。
超高精細・ハイコントラストアニメーション。アニメの感動的なクライマックスシーン。髪と衣装が風で揺れている。コマ割り多め。 主人公が全力疾走で街を駆け抜けるシーン。感動的な名台詞を口にする。アングルを効果的に複数回切り替える。ピローショットを入れる。美少女の正面のアップにカメラを切り替える。
Sora 2の著作権方針とオプトアウト制度の注意点
最後に。
今回のSora 2、いまSNSを中心にバズりにバズりまくっています。ここまで簡単に、いろんな動画が作れてしまうことに、やっぱり驚きを隠せませんよね。
ただその一方で、「これって大丈夫なの?」というような動画も、たくさん生成されています。
たとえば ──
有名キャラクターを使って、「キャラAがラーメン屋に入って、美味しそうにラーメンを食べている動画」などと指示すれば、そのまんまの見た目と声で再現されてしまいます。
声までほぼ完璧に再現されてしまうのが本当にすごい反面、「これって著作権的にどうなの?」という声があがるのも当然ですよね。
実際、わたしが動画を生成しているときも、「…ヨルシカさんの曲に似すぎじゃない?」みたいな音楽が生成されたことがありました。歌声もほぼそのまんまといった感じです。
ヨルシカ風の曲を指定したわけでもないのに、たぶん雰囲気に合う挿入歌として、自動で生成されたんだと思います。
複数のメディアでも報道されていますが、Sora 2は「著作権者にオプトアウトを求める」仕様 になっているようです(参考:ロイター)。
ざっくり言えば、「やめて」と言われない限り、使ってしまう、というスタンスですね。
これは個人的な勝手な予想になりますが ──
OpenAIは、多少の訴訟リスクを背負ってでも、この分野で一気に覇権を握りにきているように感じます。
どんな分野でも、先にユーザーを集めたほうが有利。
だからこそ、先行者優位を取りにいっていて、仮に途中で訴訟されても、その都度和解金を払えばいい、という判断なのかもしれません。
動画生成AI市場で得られる利益と、和解金のコストを天秤にかけたうえでの戦略なのかな…と勝手に思っています。
ただ、これだけは強く感じたのは、「AIの進化は、もう止まらない」ということです。
著作権の問題はもちろん大きいと思いますが、数秒で人間の作品と同じようなものを作ってしまう技術が、すでに実現しているという事実は変わりません。
少し前までは、「AIが芸術や音楽には踏み込めないだろう」と言われていた時代もありました。
でも今や、音楽すら一瞬で生成されるようになってきていますよね。
「何に価値があるのか」という、人間の考え方そのものが、近いうちに大きく変わる日がくるのかもしれません。
もしかすると ──
「著作権」という概念そのものが、将来的に意味をなさなくなる時代が来るのかも、とすら思ってしまいました。OpenAIは、AIを通した未来はそうなるべきだと考えているのかもしれないとも感じました。
それが人間の望む形かどうかは別として、「そうならざるを得ない」流れが、もう止められないところまで来ている気がします。
いずれにせよ、Sora 2は本当に面白いツールです。
でも同時に、AIのすごさだけじゃなく、「人間がもう制御できない何か」が、もうすぐ目の前まで近づいてきているような ── 不思議な怖さも感じました。
ただ、もうAIの進化は止まりません。
きっと来年の今ごろには、今では想像もできないような進化が起きていると思います。
またその頃に、今日のことをふり返ってみたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。