
本記事では、体のパーツそれぞれの名称と、それに対応するプロンプトをイラスト付きで紹介しています。
AIイラストを作るとき、体のパーツのプロンプトを知っているだけで、ポーズや構図のコントロールがずっとやりやすくなるんです。実際、思い通りの絵に近づけやすくなります。
わたし自身の経験でもあるのですが、構図やカメラアングルって、最終的には「キャラをどう画面に収めたいか」「どのパーツを見せたいか」がすごく大事になってきます。たとえば、後ろ姿にうなじを入れたいとか、二の腕までちゃんと映したいとか、そういうこだわりが出てきますよね。
もちろん、カメラアングルや構図のプロンプトをしっかり書くのも大切なんですが、実は一言、体のパーツのプロンプトを添えるだけで、すっと解決することがあるんです。
これは、わたしがAIイラストを始めたばかりの頃の話なんですが、こんな感じの作例を作りたかったことがありました。

最初は「どうやってこういう角度にするんだろう?」「どんなポーズのプロンプトを使えばいいの?」と、悩みに悩んで、なかなか思った通りに再現できなかった記憶があります。
でも、結果としては構図やアングルのプロンプトは何も入れずに、ただ「lying, kneepits(寝ている、膝裏が見える)」って入れただけで、バチッと再現できました。
このときに実感したんですが、体のパーツを指定するだけで、AIがその部位をちゃんと画面内に収めようとしてくれるんですよね。だからこそ、体のパーツ指定って、すごく効力があるプロンプトなんだと思います。
というわけで今回は、各パーツの名称と、それに対応するプロンプトを、カテゴリ別にわかりやすく整理して紹介していきます。
さらに、特定の部位をクローズアップした構図を再現する方法についても、別記事で詳しく紹介しています。描写と相性がいいテクニックなので、興味があればそちらもぜひ!
頭・顔のパーツのプロンプト
それでは、さっそく紹介していきます。
見やすいように、一覧表で整理してまとめました。
また、表の下にはプロンプトの活用方法も載せていますので、あわせて参考にしてみてください。
パーツ名 | プロンプト | 解説 |
---|---|---|
髪の毛 | hair | long hair / short hair / bangs など形状で表現 |
頭皮 | scalp | 髪の分け目や産毛の表現に使う |
生え際 | hairline | 額との境目を示す |
額 | forehead | 例:visible forehead |
眉毛 | eyebrow | 例:arched eyebrows |
まつげ | eyelash | long eyelashes などの指定で使う |
まぶた(上) | upper eyelid | まぶたの形を指定する際に使用 |
まぶた(下) | lower eyelid | 下まぶたの影や質感。 |
瞳 | iris / pupil | layered irises = 多層構造の瞳 |
白目 | sclera | 使用頻度は低いが存在する用語。 |
目頭 | inner corner of the eye / inner canthus | ハイライトや切れ長の表現に使用 |
目尻 | outer canthus / lateral canthus | 描写の際に重要(外側の目の端) |
目の下(涙袋) | under-eye area / eye bags / tear trough | “subtle eye bags” など質感指定に用いる。 |
頬 | cheek | rosy cheeks などで血色感を出す |
頬骨 | cheekbone | 顔の立体感を出すときに重要 |
鼻筋 | bridge of the nose | 光の通り道として使うことが多い |
小鼻 | nasal ala / alar (side of nose) | “ala”=名詞、“alar”=形容。 |
鼻孔 | nostril(s) | 鼻先や小鼻の形を補足する表現 |
鼻先 | nose tip | small nose tip などで形を指定 |
唇 | lips | parted lips などで表情を表す |
唇の弓(上唇の山) | cupid’s bow | 上唇の形を強調するときに使う |
歯ぐき | gums | 歯を見せる笑顔の補足。 |
歯 | teeth | visible teeth などの笑顔描写に使用 |
舌 | tongue | “open mouth, tongue out” といった表現で使用。 |
口角 | mouth corner / lip corner | 表情変化(微笑・憂いなど)に使う |
人中 | philtrum | 唇上の溝を光や陰で描写 |
顎 | chin / jawline | 輪郭や陰影の強調に使う |
のど(前頸部) | throat | 首前面の陰影やライン表現に使う |
こめかみ | temple | subtle highlight on temple |
耳 | ear | ピアスやイヤモニなどの指定で使用 |
耳たぶ | earlobe | ピアス位置や装飾指定で使う |

gentle smile, portrait, nose tip, lips, bridge of the nose, cheek, upper eyelid
表で紹介している顔パーツのプロンプトを、いくつかそのまま並べて生成した例です。
AIは、指定されたパーツを重視して、より細かく描写しようとする傾向があります。たとえば唇や鼻などは、顔が映っていれば自然と描かれるので、本来はプロンプトに書かなくても問題ありません。でも、あえて丁寧に指定してあげるだけで、その部分をより精密に描いてくれるようになります。
とくに、顔のクローズアップを描きたいときには、この方法がとても有効です。ポイントは、「当たり前に映るパーツこそ、あえて指定しておく」。それによって、その部分の描写精度が上がります。
以下の記事にて、瞳まわりや唇まわりに特化したプロンプトの調整方法を詳しく紹介しています。
それぞれの描写をより細かくコントロールしたいときに役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。


上半身パーツのプロンプト
続いて、上半身の各パーツに対応する名称とプロンプトを紹介していきます。
それぞれのパーツをどう指定すればよいか、一覧でわかりやすく整理しています。
パーツ名 | プロンプト | 解説 |
---|---|---|
胴 | torso | 上半身全体を含む中心部 |
首筋 | neck / side of neck | “neckline”は衣服用語のため不使用(首や首の横を指す)。 |
首筋(後ろ) | nape / back of neck | “exposed nape” はうなじを見せる表現 |
のど仏 | Adam’s apple / laryngeal prominence | 喉元の立体感を出すときに使う |
鎖骨 | collarbone / clavicle | 鎖骨の立体感を出す際に使う |
胸 | chest / bust | chest = 男女共通, bust = 女性的表現 |
肋骨/胸郭 | rib cage (thoracic cage) | 痩身表現や胸部の陰影強調に用いる。 |
みぞおち | solar plexus | 使用頻度は低い。 |
腹部 | abdomen / abs | “toned abs” などの指定に用いる。 |
へそ | navel / belly button | 露出衣装などで使用頻度が高い |
骨盤 | pelvis | 腰の傾きや体のラインを出す |
そけい部 | groin | 水着やレオタードの境界表現に使う |
腰背部(下背) | lower back | 反りやくびれのラインを表現する |
肩 | shoulder | 肩幅・丸みを描くときに使用 |
肩甲骨 | shoulder blades / scapulae | 背面ポーズで重要。 |
脇 | armpit | “exposed armpit” はよく使われる |
腕 | arm | 必要に応じて upper arm / forearm に細分化可。 |
上腕 | upper arm | 腕の太さや筋感を出す |
前腕 | forearm | 腕輪や袖口付近の構図で重要。 |
ひじ | elbow | bent elbow などで動作を表す |
手首 | wrist | delicate wrist などで繊細さを表現 |
手のひら | palm | 手の表情や仕草を表す |
手 | hand | left / right hand の指定もあり |
指 | finger / fingers | individual fingers の指定も可能。 |
指の関節(ナックル) | knuckle(s) | 握り拳や手の起伏を描写 |
指先 | fingertip(s) | 繊細な動きや触れ方を表現する |
爪 | nail / fingernail | painted nails などで色指定もできる |
うなじ

nape
へそ

navel
脇

armpit
手首

wrist
手のひら

palm
爪

nail
体のパーツ指定だけで構図を調整する方法|超おすすめ
上記の作例に使ったイラストは、基本的なキャラ情報のプロンプト(たとえば girl, green hair など)以外は、体のパーツのプロンプトをひとつ加えただけで生成したものです。
全体の記述がシンプルなぶん、その一つの体パーツを主役として扱うように、AIが構図を調整してくれます。なので、こちらから細かくアングルを指定しなくても、自然とそのパーツが中心になるような、ちょうどいい角度で描いてくれます。
これ、実際に使ってみるとすごく便利で、わたし自身もこの方法がとても気に入っています。自分で構図を細かく決めようとすると、つい同じようなパターンばかりになりがちですが、AIに判断をまかせることで、意外な構図や新しいバリエーションに出会えるのも嬉しいところです。
ちょっと余談ですが、「写真は引き算」という言葉があります。これは、被写体を引き立てるために、画面の中から不要な要素を取り除くという考え方なんですが、AIイラストのプロンプト記述でも似たことが言えると思っています。
見せたいパーツをひとつだけ決めて、それ以外の情報はなるべく足さずに、AIに任せてみる。すると、かえって全体がバランスよくまとまることがあります。こういうシンプルなプロンプトの使い方、わたしはけっこうおすすめです。
以下の記事では、うなじに特化したプロンプトを紹介しています。
うなじだけにしぼって、とことん追求した内容になっているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
下半身パーツのプロンプト
次は、下半身の体パーツに対応するプロンプトを紹介していきます。
太ももや膝、足先まで、部位ごとにわかりやすく整理しています。
パーツ名 | プロンプト | 解説 |
---|---|---|
腰 | waist | narrow waist (くびれ)などで体のバランスを表す |
お尻 | hips / butt(buttocks) | hips は腰外側、buttocks は臀部。buttのほうが認識されやすい場合あり。どちらもプロポーション描写に重要。 |
骨盤 | pelvis | 腰の傾きや体のラインを出す |
太もも | thigh / upper leg | inner thigh / outer thigh など部位指定が可能 |
ハムストリング(大腿後面) | hamstring | 太もも裏の張りや緊張を描く |
膝裏 | kneepits | 脚を曲げるポーズで重要。 |
膝蓋(ひざのお皿) | kneecap / patella | 膝の形を明確にするときに使用 |
ふくらはぎ | calf | toned calves など脚線美の表現に使う |
すね | shin | 必要に応じて “anterior tibia” と補足可。 |
足首 | ankle | slender ankle などで細さを出す |
足の甲 | instep | 使用頻度は低いが、ディテール表現で用いる。 |
かかと | heel | bare heel などで自然な立ち姿を出す |
土踏まず | arch of the foot | 足裏のカーブを表す |
母趾球(足の拇指球) | ball of the foot | つま先立ちの圧点 |
足の裏 | sole / sole of the foot | 裸足シーンなどで使用。 |
つま先 | toes / toe tips | pointed toes などでポーズの緊張感を出す |
足指の爪 | toenail(s) | ペディキュアや爪の装飾指定に使う |
アキレス腱 | Achilles tendon | かかと上のラインを出す |
お尻をつき出す

butt out
膝裏

kneepits, lying
ふくらはぎ

calf, sitting
足の裏

bare feet, sole
内容 | プロンプト |
---|---|
再現に相性のいい組み合わせ動作 | sitting, lying, the pose |
下半身のパーツは、通常の構図ではなかなか描写されにくい部分が多いです。
そのため、体のパーツプロンプトに姿勢や動作の指定を組み合わせることで、バリエーション豊かな表現ができるようになります。
とくに、座りポーズや寝ポーズと組み合わせると、再現しやすいケースが多いです。
以下の記事では、太もも好きのわたしがこだわって作ったプロンプトを紹介しています。
ふとももをより魅力的に見せたい方にはきっと役立つ内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
その他・全身的要素のパーツのプロンプト
最後に紹介するのは、全身や体表に関するプロンプトです。
肌の質感や筋肉のトーン、骨格や体型など、全体の印象に関わる要素をまとめています。
パーツ名 | プロンプト | 解説 |
---|---|---|
肌 | skin | smooth skin, fair skin などで質感や色調を指定 |
筋肉 | muscle / muscular tone | toned body などで体の引き締まりを表す |
骨格 | bone structure | facial bone structure などで形の特徴を出す |
肩幅 | shoulder width | broad shoulders などで体格を描く |
体幹 | core / trunk | 体の中心部分や姿勢の軸を示す |
背骨 | spine | arching spine などで姿勢のラインを表す |
体毛 | body hair | あまり再現性はない。armpit hair(脇毛)など部分指定は再現しやすい。 |
血管 | vein(s) | 手背・前腕・脚などで浮き出し表現に使う |
ほくろ(ビューティーマーク) | beauty mark / mole | 配置で個性や魅力を出す要素 |
体温 | body warmth | 光や雰囲気の暖かさを示す補助的な表現 |
以下の記事では、肌の色や質感の違いに対応したプロンプトや、バストサイズや体型を整えるための指定方法を紹介しています。
今回の内容とあわせて活用すると、より自由なボディ表現がしやすくなると思います。ぜひ参考にしてみてください。


まとめ
今回は、AIイラストを生成する際に役立つ「体のパーツ別プロンプト」を、部位ごとに詳しく紹介してきました。
顔・上半身・下半身・全身の各パーツごとに、どんなプロンプトを使えばその部位がきちんと描写されるか、具体的なタグや英語表現を一覧でまとめています。とくに、普段はあまり意識されない細かい部分にも触れながら、どうすればAIがそのパーツをしっかり画面に収めてくれるのか、そのコツも交えてお伝えしました。
また、プロンプトを組み合わせることで構図のバリエーションが広がること、そして「見せたい部分を一つ決めてシンプルに伝えること」の大切さについても、実例をもとにご紹介しました。
プロンプトの書き方ひとつで、イラストの印象は大きく変わります。今回の内容が、少しでも日々の画像生成に役立てばうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。