
本記事では、画像生成AIで「カメラアングル(視点)」を指定するためのプロンプトを、イラスト付きで一覧にしてまとめています。
カメラアングルは、キャラクターやシーンの印象に大きく影響する要素です。視点の違いによって、見え方だけでなく、見る人の感じ方まで変わってきます。
カメラアングルに関するプロンプトは、いろいろなサイトでも紹介されていますが、「それがどんな見え方につながるのか」や、「どんな場面で使うと効果的なのか」まで詳しく解説されているものは、あまり見かけません。
たとえばハイアングルには、周囲を広く見渡すような効果がありますが、それだけではありません。キャラクターを小さく、そしてどこか弱く見せるような、独特の視覚的なニュアンスもあります。このアングルを使えば、イラストに広がりを出したり、キャラクターの孤独感を表現したりすることもできたりします。
こんなふうに、カメラアングルにはそれぞれ「向いている場面」や「伝えやすい空気感」があります。わたし自身も写真をよく撮るのですが、視点の選び方ひとつで印象が大きく変わることを日々感じています。
そこで今回は、そうした実感をもとに、画像生成AIで活用できるカメラアングルのプロンプトをわかりやすく整理しました。それぞれの視点がどんな見え方につながるのかも合わせて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
メジャーなカメラアングルプロンプト
それでは、早速みていきましょう。
本記事では、すべての例にイラストをつけているので、どんなカメラアングルなのかも直感的に理解しやすいと思います。イラストの下には一覧表も用意してあり、それぞれのアングルが持つ見え方の特徴や、どんな場面で使えるのかを簡潔にまとめています。
よく使うカメラアングル8種とプロンプト
まずは、基本中の基本。一番使う8つのカメラアングルのプロンプトから紹介します。
アイレベル

eye-level shot
ローアングル

low angle shot
ハイアングル

high angle shot
ダッチアングル(斜めアングル)

dutch angle
横からのアングル

profile view
3/4の視点アングル

three-quarter view
引きのアングル

wide shot
水平アングル

level angle, horizon straight
横からのアングルを安定させたいときは、「brown eye(瞳を単数形にする)」と「looking afar(遠くを見る)」を組み合わせると、真横に近い構図になりやすいです。
| アングル名 | プロンプト | 解説 | 
|---|---|---|
| アイレベル | eye-level shot | カメラが目線と同じ高さにある基本の視点です。自然で落ち着いた雰囲気が出やすく、見る人と対等な関係をつくりやすいのが特徴です。 | 
| ローアングル (下からのアングル) | low angle shot | 下から見上げるような視点です。キャラクターを大きく、力強く見せたいときや、迫力を出したいときに使います。 | 
| ハイアングル (上からのアングル) | high angle shot | 上から見下ろすような視点(俯瞰アングル)です。キャラクターを小さく見せて弱さを表したり、広がりのある場面を描くのに向いています。 | 
| ダッチアングル (斜めのアングル) | dutch angle, tilted angle | カメラを傾けた視点です。動きや不安定さ、ちょっとした違和感を加えたいときに効果的です。ランダムにアングルが傾きます。 | 
| 横からのアングル | profile view, side angle | 横顔が見える視点です。輪郭や表情の細かさが際立ち、落ち着いた雰囲気をつくりやすいです。 | 
| 3/4の視点アングル | three-quarter view | 正面と横の中間の視点です。自然な立体感が出せるので、人物の魅力を引き出しやすい構図です。 | 
| 引きのアングル | wide shot | カメラを距離を引いて背景を広く見せる。引きの構図とも呼ばれる。状況説明に向いています。 | 
| 水平アングル | level angle, horizon straight | 安定感や整ってる感がでます。AIは水平で生成するので、使用頻度は少なめ。 | 
特殊カメラ視点のプロンプト(POV・肩越し)
続いては、少し特殊なカメラ視点を再現するためのプロンプトです。こういったアングルは、単体の指定だけではうまく反映されないため、状況を補うプロンプトをあわせて使うのがポイントになります。
POVショット(一人称視点)

POV shot
オーバー・ザ・ショルダー(肩越し視点)

over-the-shoulder shot
この2つのアングルをきちんと再現するには、状況を補うプロンプトを追加することが大切です。
たとえば、POVショットの場合は「handshake(握手)」を加えると、1人称視点で手を差し出しているような構図が作れます。自分の手が画面内に映ることで、より自然なPOV視点になります。
オーバー・ザ・ショルダー(肩越しの視点)では、肩越しにもう一人の人物が映るように「girl, facing away(後ろ姿の少女)」などのプロンプトを組み合わせると、構図が安定しやすくなります。
| アングル名 | プロンプト | 解説 | 
|---|---|---|
| POVショット(一人称視点) | POV shot, point of view | 見る人がその場にいるような、自分の目線で見た構図です。シーンへの入り込みやすさが高まり、感情を近くに感じさせたいときに向いています。距離感の表現も自由にできます。 | 
| オーバー・ザ・ショルダー(肩越し視点) | over-the-shoulder shot | キャラクターの肩ごしに、もう一人の人物や風景を見る構図です。誰かと向き合っている場面や、会話している場面などに使いやすく、関係性や場の雰囲気を伝えやすくなります。 | 
キャラクター構図を調整するプロンプトの使い方
これは、正確にはカメラアングルそのものではありませんが、キャラクターの体の部位を指定することで、視点や構図を整えるためのプロンプトがあります。

全身ショットや膝上からのショットなど、構図のバリエーションごとにイラスト付きで詳しく紹介しています。また、特定の体の部位をクローズアップしたい場合の指定方法もまとめてありますので、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
応用カメラアングルのプロンプト例
ここからは、もう少し応用的なカメラアングルのプロンプトと、その再現方法について紹介していきます。
地面すれすれのアングル(極端なローアングル)のプロンプト

| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| 地面すれすれのアングル (極端なローアングル) | from below, from ground, worm’s eye view | 
| – 地面を入れたい場合 | on ground, shoes(裸足なら、bare feet) | 
| – 振り返り構図にしたい場合 | looking back | 
極端なローアングルは、キャラクターに迫力を持たせたり、非日常的な印象を加えたいときに効果的です。地面を構図に含めたい場合は、「on ground, shoes」のように、地面の存在と靴をセットでプロンプトに含めると安定しやすくなります。
AIは足元まわりの情報がないと、構図から下半身を省いてしまうことがあるため、靴などを明示しておくのがおすすめです。
鳥瞰図・極端に高い位置からのカメラアングルのプロンプト

| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| 鳥瞰図 (極端に高い位置からのカメラアングル) | from above, bird’s eye view, aerial view | 
| – 構図を広くしたい場合 | wide shot, landscape | 
俯瞰構図は、かなり高い位置から角度をつけて見下ろす視点を作るためのプロンプトです。
たとえば、キャラクターの頭よりも上から見下ろすようなアングルを出したい場合は、プロンプトに空の要素が残っていないかを確認してみてください。よくあるのが「blue sky」などが残ったままで、空を入れようとしてしまい、うまく俯瞰にならないケースです。
反対に、「floor」など地面を含めた要素を加えると、高い位置から見下ろしているような角度がつきやすくなります。
また、より広がりのある構図にしたい場合は「wide shot, landscape」といったプロンプトを追加すると、AIが広範囲の景色を描写しやすくなります。
ヘッドボードアングルのプロンプト
ヘッドボードアングルとは、ベッドのヘッドボード(頭側にある板)の位置から、横たわるキャラクターを見下ろす視点の構図です。これは主にイラストやアニメ、マンガの分野で使われていて、ハイアングル(上からの視点)の一種です。
ここから派生して、キャラクターがベッドに寝ていない場合でも、同じような視点の構図をまとめて「ヘッドボードアングル」と呼ばれたりしています。

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| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| ヘッドボードアングル | lying on bed, upside-down perspective | 
| – 補強用プロンプト | headboard angle, view from above the head, knees up | 
| – 相性の良いカメラアングル | dutch angle | 
補強用のプロンプトもあわせてすべて入れてしまったほうが、構図が安定しやすくなります。
「lying on bed」の部分は、寝ている場所を自由に変えることができるので、たとえば作例では「lying on grass(草原に横たわる)」という指定にしています。
また、「dutch angle(カメラを傾ける)」を加えると、画面に動きが出て、より臨場感のある構図になります。
キャラクターを真後ろから捉えるアングル

| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| 真後ろからのアングル | from behind | 
| – (補強用)後ろ姿・背中 | facing away, back | 
一見シンプルに見えて、意外とうまくいかないことが多いのが「真後ろからのアングル」です。
プロンプトはシンプルに「from behind」だけでいいのですが、プロンプトの中に、キャラクターの前面を描写する指示が入っていると再現されなくなります。
よくあるのが、瞳の色や表情、胸のサイズなどがそのまま残っているケースです。この場合、AIは前面の情報を優先しやすいため、後ろ姿が描かれなくなります。「button shirt(ボタン付きシャツ)」なども前面を描写しようとするため、構図が崩れやすくなります。
うまく安定しない場合には、「facing away」や「back」といったプロンプトを加えて、キャラクターが後ろを向いていることを明示すると効果的です。
ダイナミックアングルのプロンプト

| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| ダイナミックアングル | dynamic angle, dramatic perspective | 
動きのあるダイナミックなアングルです。「ダイナミックアングル」という角度が存在するわけではありませんが、遠近感を出したり、画面を傾けたりをAIが工夫してくれるアングルです。
イラストに大きな変化を取り入れたい時に使えるアングルプロンプトです。
真正面からのアングルを固定するプロンプト

| 内容 | プロンプト | 
|---|---|
| 真正面からのアングル | straight-on | 
通常だと真正面からになりにくいアングルの場合に便利なプロンプトです。これは結構強力なプロンプトで効き目が強いです。
作例で見るカメラアングル別プロンプト
ここまでに紹介したカメラアングルのプロンプトを使って生成した作例を紹介します。
階段下から見上げたカメラ視点のプロンプト

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SNSでよく見かけるアングルです。後ろからのアングル、かつ下からのアングルですね。衣装と場所を変えるだけで、色々と応用ができます。
屋上から街を見下ろす高所アングル指定のプロンプト

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鳥瞰図と後ろからのアングルを組み合わせた作例です。「city below」のプロンプトを入れると眼下に街が再現されるので結構お勧めです。
横顔を強調するアングルのプロンプト

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横からのアングルでちょっと感傷に浸っているようなイメージのプロンプトを作りました。「looking afar, facing up」の組み合わせで、遠くを見つめて見上げるような仕草になります。また「sidelighting(横からの光)」を組み合わせると、希望に向かって前を向いているような演出ができます。
なお共通で、以下の雰囲気系プロンプトを組み込んでいます。
dreamy atmosphere, soft focus, bloom, pastel tones, light haze
イラスト全体の雰囲気を決めてくれる便利なプロンプトセットを以下記事にて紹介しています。全部オリジナルで作ったものなのでぜひご活用ください。
まとめ
カメラアングルは、画像生成AIでの絵作りにおいて、見た目だけでなく印象や感情の伝わり方まで大きく左右する大切な要素です。
今回は、画像生成AIで使えるカメラアングルのプロンプトを中心に、その視点がどんな効果を持っていて、どんな場面で活かせるのかまで、できるだけ具体的にまとめてきました。
たとえば、「low angle(ローアングル)」ひとつとっても、ただ見上げるだけじゃなくて、迫力や緊張感を出したり、構図にメリハリを加えるために使えます。POVや肩越しの視点、斜めに傾けるダッチアングルなども、それぞれに役割があります。
ポイントは、「視点」だけに注目するのではなく、その構図を通して「何を見せたいか」を考えること。それによって、プロンプトの組み合わせ方も変わってきますし、描きたい雰囲気にも近づきやすくなります。
ちょっとした工夫や調整で、AIの表現力は格段に上がります。今回紹介したアングルやプロンプトが、試してみたい構図のヒントになっていたらうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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