
本記事では、Nano Banana Proを活用して、イラストに加筆したり修正したりするためのプロンプトを紹介しています。
Nano Banana Proを使うと、AIで生成したイラストに対して、ちょっとした加筆修正がとても手軽に行えます。
たとえば、瞳にキャッチライトを入れたり、不自然な指を直したり、描写が甘くなった線を整えたりできます。さらに、髪のツヤ感を整えたり、細い毛先を自然に見えるように調整したりすることも可能です。
AIイラストを別のツールで加筆修正する方法もありますが、今回はそれと同じようなことをNano Banana Proを駆使して実現する方法を実際に使えるプロンプトと一緒に紹介していきます。
ちなみに、Nano Banana Proを無料で使うなら「Sousaku AI」がおすすめです。初回100クレジット、デイリー10クレジットがもらえて、無料でもウォーターマークはつきません。
Nano Banana ProをAIイラストで活用する方法は、以下の記事でも詳しく紹介しています。Sousaku AIでの使い方も軽く触れているので、こちらも併せてご活用ください。
瞳の加筆修正テクニック
それでは、早速一緒にみていきましょう。まずは重要な瞳を整えるプロンプトから紹介していきます。
甘くなった瞳を自然に整えるプロンプト

元イラスト(NovelAI)

Nano Banana Proの生成結果
添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
タスク1:
・瞳の描写が甘いと思われる部分を綺麗にしてください。
上記について、どうすれば自然な状態で品質の高いイラストになるかを考慮したうえで、あなた自身で具体的な内容を提案してください。
タスク2:
「タスク1」で構築した内容を添付画像に適用させて、高精細なイラストを出力してください。

描写の甘かった瞳が、綺麗に整ったのがわかると思います。
指示をするポイントは、自分自身で「ここをこうして、ああして」という具体的な指示をしないで、Nano Banana Proにまず提案してもらってから、画像生成するようにすることです。
Nano Banana Proでプロンプトを作る際の大事なポイント
上手く使いこなすコツは、自分で細かい指示を書きすぎないことです。
どういうことかと言うと、
Nano Banana Pro(以下、NBP)は自然言語を理解するAIです。ざっくり言うと「自然言語を解釈するAI」と「画像を生成するAI」の2つが組み合わさっているような感じで、これはChatGPTの4o Image Generationと同じイメージです。
「瞳に白い透明感のあるハイライト」というように具体的すぎる指示をすると、AIはその内容だけをそのまま再現しようとします。指示がピタッとハマれば問題ないのですが、もしAIがその表現を正確に理解できなかった場合、思ったような結果にはなりません。
一方で「瞳にハイライトが入る状態とはどういう状態なのか、あなた自身で考えて」というように考える余地を与えると、AIが自分で理解できる言葉に置き換えて説明してくれます。そのほうが、仕上がりが安定することが多いです。
そのため、この記事で紹介しているプロンプトは少し回りくどい書き方になっています。まずAIに提案させて、その結果をもとに生成させるという、2段階構成で書いているのはそのためです。
それでは、続いてさらに瞳への記述量を増やして加筆していくプロンプトを紹介します。
瞳の描写を全体的に強化するプロンプト

元イラスト(NovelAI)

Nano Banana Proの生成結果
添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
タスク1:
瞳の描写の記述量を増やしてください。
そのために、このイラストの雰囲気に合わせることを前提として以下2点を提案すること。
・瞳に適切な影、ハイライト、キャッチライト、虹彩について、どうしたらイラストとして自然な状態になるかをあなた自身が考えて修正案を提案してください。
・瞳孔が左右の瞳で対称ではない場合、どうしたらイラストとして自然な状態になるかをあなた自身が考えて修正案を提案してください。
ただし(瞳の輪郭は元のイラストから変えないこと)。
タスク2:
「タスク1」で構築した内容を添付画像に適用させて、高精細なイラストを出力してください。
| プロンプト | 解説 |
|---|---|
| 瞳に適切な影、ハイライト、キャッチライト、虹彩について、どうしたらイラストとして自然な状態になるかをあなた自身が考えて修正案を提案してください。 | 瞳がリアルになりすぎる場合は、虹彩の記述を削除する |
| 瞳孔が左右の瞳で対称ではない場合、どうしたらイラストとして自然な状態になるかをあなた自身が考えて修正案を提案してください。 | 瞳孔に手を加えたくない場合は、この記述を削除する |
瞳まわりの描写をさらに詳細に加筆したい場合に、有効な指示プロンプトです。
不自然な指を修正するテクニック
次は、指の修正です。よくあるやつです。
指の本数がおかしかったり、または指の形状が不自然だったりするものを修正します。

添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
・手の描写が不自然なため、自然な手に修正してください。
ただしポーズは変えないでください。
そのうえで、高精細なイラストを出力してください。
このように指示すると、最近の画像生成AIは、大抵の不自然な指の描写を直してくれます。やばいくらいに指が破綻した場合の修正プロンプトも後述します。
修正した作例をいくつか掲載します。


かなり破綻した指を修正するプロンプト
以下のように、やばいくらい破綻した指も修正することが可能です。最近のAIはここまでの破綻は中々ないとは思います。

添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
・ 指の本数が不自然です。人間の指の本数が何本か、どういう状態が自然なのかをあなた自身で考えて修正案を提案してください
ただしポーズは変えないでください。そのうえで、高精細なイラストを出力してください。
基本的なプロンプトは今まで通りの書き方です。「指を5本に直して」というように具体的に書かないことがポイントです。
髪の毛の加筆修正
次は、髪の毛の加筆修正用のプロンプトを紹介します。

添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
タスク1: このイラストの雰囲気に合わせることを前提として以下を提案すること。
・「髪の流れ、背景への溶け込み、光沢と影、細い毛の描写、立体感・ツヤ、毛束・質感」について、具体的な対処法をあなた自身が考えて修正案を提案してください。
タスク2: 「タスク1」で構築した内容を添付画像に適用させて、高精細なイラストを出力してください。
| プロンプト | 解説 |
|---|---|
| 「髪の流れ、背景への溶け込み、光沢と影、細い毛の描写、立体感・ツヤ、毛束・質感」について、具体的な対処法をあなた自身が考えて修正案を提案してください。 | うるさくなりすぎる場合は、背景への溶け込み、立体感・ツヤ、毛束・質感の記述を除去する。 |
| – ただし、髪の形は変えないこと | もし髪型が変わってしまう場合に追記する |
膝上ショットや全身ショットの場合には、「ただし、髪の形は変えないこと」を入れておいたほうがいいかもしれません。ポニーテールがイラストよりも長くなったりする場合があります。
以下は、同じ指示プロンプトで生成した作例です。

髪の毛の陰影やツヤ感がほどよく入ってくれます。元イラストのままでも十分なクオリティはあると思いますが、見比べてみると、クオリティがアップしていることが分かります。
肌の質感の加筆修正プロンプト
肌の質感をアップさせるための指示です。

添付画像に対して、肌の質感に関して以下の改善を行なってください。
タスク1:
・「肌の質感、立体感、スムージング」について、具体的な対処法をあなた自身が考えて修正案を提案してください。
タスク2: 「タスク1」で構築した内容を添付画像に適用させて、高精細なイラストを出力してください。
AIイラストは肌がかなり滑らかでツルッとしていることが多いです。このテイストをあまり壊さずに、少し立体感を出すためのプロンプトです。
リアルになりすぎる場合は「立体感」の部分を除去してください。

服の描写を自然に改善するプロンプト
次は、服の描写力を上げるための指示プロンプトです。

添付画像に対して、以下の改善を行なってください。
タスク1: 服に関して
・「服の素材感・生地感、シワ、影と光」について、具体的な対処法をあなた自身が考えて修正案を提案してください。
タスク2: 「タスク1」で構築した内容を添付画像に適用させて、高精細なイラストを出力してください。
修正内容をAIに判断させて加筆・修正させているため、今回の作例のようにAIの判断でレースの裾などが追加される場合もあります。
このような加筆をさせたくない場合は、「服の追加はしないこと」という風に追記しておくと回避できます。
加筆修正内容を一括で適用するYAMLプロンプト
最後に、ここまでに紹介してきた指示用のプロンプトをすべて1つにまとめて、かつYAMLで記述した英語バージョンのプロンプトを紹介します。
瞳、髪、肌、服、指(不自然な場合に限る)の描写力をアップして加筆修正する一括プロンプトです。
task: Enhance the attached image according to the following 5 improvement categories.
Output a single high-resolution, refined illustration that applies all the improvements below.
improvements:
1:
target: Eyes (pupil/iris depiction)
goal: Make the eyes significantly more beautiful, clear, and realistic while keeping the original style and expression.
requirements:
- Sharpen and deepen the iris details, gradients, and highlights
- Add natural catchlights and subtle reflections
- Improve depth and wetness feel (limbal ring, subtle moisture)
- Ensure perfect symmetry and natural color transition
- Keep exact eye shape, gaze direction, and expression unchanged
2:
target: Hair depiction
goal: Dramatically improve realism and quality without changing the hairstyle, silhouette, or overall shape
requirements:
- Enhance hair flow and individual strand separation
- Better integration/blending with background (soft edges where needed)
- Add realistic gloss, highlights, and subsurface scattering
- Render fine/baby hairs naturally
- Improve volume, clump separation, and texture
- Stronger sense of three-dimensional strands and shine
3:
target: Skin depiction
goal: Achieve smooth yet detailed, natural, high-quality skin
requirements:
- Refine skin texture (subtle pores, softness, peach fuzz where appropriate)
- Enhance three-dimensional form through better subsurface scattering and soft shading
- Remove unnatural smoothness or plastic look
- Add gentle color variation and warmth
- Perfect blending between shaded and lit areas
4:
target: Clothing depiction
goal: Greatly improve fabric realism and material presence
requirements:
- Emphasize material properties (cloth weight, thickness, weave, sheen/matte)
- Refine folds, wrinkles, and creases to look natural and follow body form
- Add proper highlight and shadow behavior on fabric
- Better contact shadows where cloth meets skin
- Keep exact clothing design and pose unchanged
5:
target: Hands and fingers
instruction: >-
If the current hand/finger depiction looks unnatural, deformed, or anatomically incorrect,
correct it to look completely natural and anatomically accurate.
If the hands already look natural, skip this improvement.
constraints:
- Do NOT change hand pose, gesture, or position
- Only fix proportions, joint placement, and finger shapes if needed
output:
format: High-resolution, highly detailed digital illustration
style: Preserve the original art style and atmosphere
count: 1 image only
quality: Maximum detail, professional illustration level
action: Apply ALL applicable improvements from steps 1–5 to the attached image and output the final enhanced version.
ここまでに紹介してきた分野の加筆修正を一括して行なってくれるプロンプトですが、指の本数に関しては、見逃されてしまう場合があるため、指が破綻しているイラストの修正だけは、個別に指示プロンプトを使用したほうがいいと思います。
以下に、YAML形式の一括プロンプトで加筆修正した作例をいくつか記載します。
ここまでに紹介してきた加筆修正テクニックをすべて反映させた作例です。





今回は、Nano Banana Proを使ったAIイラストの加筆修正のやり方を紹介しました。
1枚のイラストの完成度をとことん拘りたい場合に有効な手法です。他のグラフィックツールなどを使わずにAIだけで完結させることが出来る点が大きなメリットです。
また、この加筆修正のやり方に加えて、以下記事で紹介しているライティングのプロンプトも加えると、さらにクオリティを上げることができます。興味がありましたらぜひこちらもご活用ください。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメントもお待ちしています!ぜひぜひ気軽に残していってください。



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