背景を印象的に仕上げるエフェクト技|AIで使える演出プロンプト集

画像生成AI
背景を印象的に仕上げるエフェクト技|AIで使える演出プロンプト集

本記事では、画像生成AIで使える背景演出のプロンプトテクニックを紹介します。光の滲みや逆光、粒子、ぼかしなどのエフェクト効果を活用して、背景に奥行きや空気感、印象的な雰囲気を加える方法をまとめています。シンプルな構図にひと工夫加えたいときに役立つ内容です。

実は私は、海外のわりと有名な写真コンテストでいくつか入賞した経験があります。今でも写真を撮ることが好きで、時間があればよく撮影に出かけています。

そして、ChatGPTに出会ってからは、画像生成AIの魅力にもすっかりハマってしまい、日々いろいろと試しながら楽しんでいます。画像生成AIを使っていて気づいたのは、写真で培った光の演出の考え方が、そのまま活かせる場面がとても多いということです。

キャラクターをより魅力的に見せるには、光の使い方がとても効果的です。写真でも光と影の扱いは非常に重要で、どこに光を当て、どう影を落とすかで、印象は大きく変わります。
これは、美少女イラストを描くときにも同じで、背景にほんの少し光の演出を加えるだけで、作品全体のクオリティが大きく変わって見えます。

こうした光のエフェクトに関するプロンプトは、いくつかパターンを覚えておくととても便利です。
今回は、背景からの光を活用してキャラクターを引き立てるための、画像生成AI向けの光演出テクニックをまとめてご紹介します。

AIイラストで使える光の演出テクニック|逆光・フレア・光漏れの使い方

ここでは、光そのものの方向・にじみ・輪郭に関わる演出を紹介します。画面全体の印象をガラッと変える強めの効果が多く、ドラマ性や存在感を出すのに向いています。

光が滲む背景演出|light leak effect の使い方とプロンプト

レンズ越しに光が滲みこむような効果で、逆光や夕暮れ時のドラマチックな雰囲気を演出します。

light leak effect を用いた参考イラスト|AI画像

光漏れを入れるときは、逆光のシーンと組み合わせると自然にきれいに見えます。逆光や夕焼けのドラマチックな雰囲気を演出するテクニックです。

色はちょっと温かみのあるオレンジやピンク寄りにすると、やわらかくて感情的な雰囲気が出しやすいです。光源は画面の端のほうに置くと、自然に光が滲み込んでくる感じになりやすいです

プロンプト

light leak effect, sunlight bleeding into the frame, cinematic atmosphere


レンズフレアとハレーション|明るい光源を活かす背景演出

強い光源の周囲に光のにじみを加え、光そのものを印象づけることができます。

フレア・ハレーションのプロンプトを用いた参考イラスト-1|AI画像

フレアやハレーションのエフェクトを入れるときは、まず太陽や街灯みたいな「はっきり見える光源」を背景に用意するのが基本です。

ただ光らせるだけじゃなくて、光の中心から放射状にのびる光の筋をイメージすると自然に見えます。画面全体がまっ白にならないように、光の強さはほどよく調整するのがコツです。

以下のプロンプトを利用することで再現できます。

プロンプト

lens flare, halation effect, bright light source, cinematic lighting

フレア・ハレーションのプロンプトを用いた参考イラスト-2|AI画像

上記の作例では、「Bold, vivid lens flare rings and soft rainbow-colored ghost artifacts」というプロンプトを利用しています。あえてレンズフレアをさらに強調させています。

これは割と成功するかはガチャにもなりますが、あえて強く入れて思いもよらない、いい感じの描写になることを期待して指定しています。失敗すると不自然にもなりますので、まさに生成ガチャですね。

ちなみに写真の世界では、「フレア」と言うと、強い光が入り込んで画面全体が白っぽくかすむようなぼわ〜っとした光の広がりを指すのが一般的です(作例1枚目のぼわ~っとしてる部分)。
一方、太陽や照明などの強い光源がレンズに入ったときに現れる虹色の輪や幾何学的な光の模様は、「ゴースト(ghost)」と呼ばれます(2枚目の作例で斜めに横切っている光の輪や光の円)。

ただし、画像生成AIやCGの分野では、こうした用語の使われ方に少し違いがあるようです。

調べてみたところ、特に海外のプロンプトでは、「lens flare(レンズフレア)」という表現が、ゴーストのようなリング状の光や虹色のアーティファクトを含む形で使われることが多いことが分かりました。つまり、AIイラストのプロンプトで「lens flare」を指定すると、幾何学的な光の輪や、画面を横切るような光の筋が描写されるケースがよく見られます。「フレア」という言葉は、フレアとゴーストの両方を含む上位概念としての意味があるようです。

また、「halation(ハレーション)」は、画像生成の世界では光が滲んで輪郭がふわっとぼやけるような効果として扱われることが多く、画面全体に柔らかい光が回り込んでいるような描写に使われます。

プロンプト指定のポイント整理

  • 「lens flare」= 幾何学的な光のリングや虹色のアーティファクトを出す演出
  • 「halation」= 輪郭が滲むような、画面全体をぼわっと明るくかすませる演出

このように覚えておくと、目的に応じてプロンプトを使い分けやすくなります。


輪郭を光で際立たせる|逆光・リムライトの背景演出術

背中側から光を当てて、キャラや背景の輪郭に細い光の縁取りをつけることで、立体感やドラマチックな雰囲気を強く見せるテクニックです。

逆光・リムライト効果のプロンプトを用いた参考イラスト-1|AI画像

逆光やリムライトを入れるときは、背景や服が少し暗めだと輪郭の光がきれいに目立ちます。

光の色は、自然光なら白~ほんのり黄色っぽく、夕焼けならオレンジや赤を意識すると自然に見えます。光はキャラや物の片側だけに細く入れると、立体感がぐっと出しやすくなります。

プロンプト

backlighting, rim lighting effect, glowing outline, cinematic composition

逆光・リムライト効果のプロンプトを用いた参考イラスト-2|AI画像

逆光とリムライトを使うと、このような静かなドラマチックな瞬間を演出することができます。


背景にやわらかさと奥行きを加える演出テクニックまとめ

光ではなく、“空気感”や“柔らかさ”を足すことで、背景の印象を調整するテクニックです。奥行きや静けさを出したいとき、優しい雰囲気を演出したいときに便利です。

背景をふんわり仕上げる|ソフトフォーカスの使い方

背景をふんわりぼかして、夢みたいな柔らかい雰囲気や透明感を出す演出です。

ソフトフォーカス効果のプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

画面全体にやわらかい光をのせるイメージで、シャープさを少し抑えるときれいに見えます。

キャラの輪郭もほんのりぼかしてあげると、全体がまとまった幻想的な雰囲気になります。
ただし、ぼかしすぎると何が写っているのかわからなくなるので、形はうっすら見えるくらいがちょうどいいです。

プロンプト

soft focus effect, dreamy atmosphere, light diffusion, hazy background


幻想感をつくる霧演出|mist・fog プロンプトの工夫

背景にうっすら霧をたたせて、静かで幻想的な雰囲気を出すエフェクト効果です。

mist・fogのプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

遠くの景色をほんのり白くかすませると、自然に奥行きが出て、空気の広がりを感じさせることができます。

ミストに光が差し込むようにすると、光が粒子に絡んで、より幻想的な印象になります。
ただ、霧を濃くしすぎると背景が見えにくくなってしまうので、やりすぎず、透明感を意識するのがポイントです。

プロンプト

misty background, light fog, dreamy atmosphere, soft ambient haze


煙やチリで動きと空気感を加える背景演出

空間に煙や細かい粒子を流して、動きのあるシーンにリアルな空気感や迫力を足す演出です。

煙・チリを描写するプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

走っている場面や戦っているシーンなど、動きのある構図と一緒に使うと、スピード感やその場の空気を強く感じられるようになります。

煙やホコリの流れは、キャラの動きや風の方向と合わせてあげると自然な仕上がりになります。
また、光源の方向に対して粒子が見えるようにすると、光の中に浮かぶような表現になって印象的です。

プロンプト

smoke effect, floating dust particles, dynamic air flow, cinematic atmosphere


単色に深みを加える|背景グラデーションの活用法

背景の色をゆるやかに変化させて、シンプルなのに印象に残る美しさを出す演出です。

グラデーション背景のプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

ただの一色で塗った背景よりも、グラデーションを使うと自然な深みや奥行きが生まれます。

キャラの雰囲気やテーマに合わせて、青っぽくするか暖かい色にするかなど、色の選び方を意識するとより効果的です。
「背景がちょっと物足りないな」と感じたときに、まず試してみると整いやすいテクニックです。

基本的には以下でグラデ背景をAIが判断して生成してくれます。

プロンプト

gradient background, smooth color transition, soft ambient tones

作例のグラデーション例は、以下プロンプトです。

begins with a soft, smoky rose pink in the upper section, transitions through warm gray and off-white in the center, and fades into a pale mint green and bluish emerald toward the bottom


前景にぼかしを入れて奥行きと構図を整える方法

画面の手前に花や葉っぱなどをぼかして入れることで、奥行きや視線の流れを自然に作る演出です。

前景ぼかし効果のプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

キャラとの距離を感じさせたいときに使うと、空間に立体感が出てリアルな雰囲気になります。

手前にぼかすものは、花や葉っぱ、木の枝など自然なものを選ぶとやりすぎ感が出にくくておすすめです。画面の端っこや四隅に入れるようにすると、画面のバランスも整いやすくなります

プロンプト

foreground blur, blurred flowers and leaves, natural framing


背景に細かな光を散らす装飾演出|粒子系エフェクトの使い分け

空間を直接ぼかすのではなく、細かい光や粒で背景を飾るタイプの演出です。シンプルな構図にちょっとだけ華やかさを加えたいときにぴったりです。

華やかで可愛らしい演出に|キラキラ粒子の活用プロンプト

背景に小さな光の粒を散らして、ふんわりとした可愛さやファンタジーっぽさを演出するテクニックです。

sparkling particlesのプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

キラキラ粒子は、ファンタジー系のシーンやかわいい雰囲気の演出ととても相性がいいです。

粒の大きさや量を少し抑えめにすると、派手すぎず上品にまとまりやすくなります。
光が当たって粒がきらっと見えるように、光源との位置関係も意識して配置するとリアルな感じが出せます。

プロンプト

sparkling particles, glittery background, fantasy atmosphere, dreamy effect


空気感と透明感を演出する控えめな粒子効果

目立たない小さな粒子を空間に漂わせることで、空気の透明感や清涼感、自然な奥行きをさりげなく演出できます。これもよく使われるオススメのエフェクトです。

floating dustのプロンプトを用いたイラスト参考例|AI画像

この演出は、キラキラと強く光る粒子とは違って、よく見るとふわっと空中に漂っているような控えめな光の粒を使います。

教室に朝の光が入ってきたときに、空中でチリがきらっと見えるような、そんな静かな印象をイメージするとわかりやすいです。
粒子は目立たせすぎず、全体にまんべんなく散らすような配置が自然です。
また、逆光や柔らかい光とセットにすると、光の中に浮かんで見えてとてもきれいに仕上がります。

プロンプト

floating dust, subtle glowing specks, tiny ambient particles, soft atmospheric sparkle, light scattering in air


まとめ|背景演出でAIイラストの印象は大きく変わる

背景を少し工夫するだけで、イラスト全体の印象は大きく変わります。

今回紹介したような演出は、どれも複雑なものではなく、ちょっとした「粒」や「光」や「ぼかし」で空気感や雰囲気をコントロールするためのものです。

大きく分けると、光を使って演出する方法、空間をぼかして空気感を出す方法、そして細かな粒や装飾で仕上げる方法に分けられます。さらに最近では、目立ちすぎない微細な粒子で透明感を出すような演出もよく使われています。

どのテクニックも、使い方によって「主役を引き立てる背景」になるか、「画面全体の空気を整える演出」になるかが変わってきます。無理にすべてを盛り込まず、シーンの目的に合わせて選んであげると自然にまとまりやすくなります。

「何か物足りないな」と感じたときに、こうした演出の引き出しがあると、背景づくりの幅がぐっと広がります。ぜひ、自分のイラストに合ったちょうどいい演出を探してみてください。

なお、以下記事にて背景のぼかし方に関するプロンプトとその解説もしております。併せてぜひご活用ください。

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