
本記事では、ファンタジー世界などで「体を縛られたり拘束されたりする」シチュエーションを再現するためのプロンプトを紹介しています。
AIイラストでは、西洋ファンタジーの世界観で、たとえば ──
戦闘に敗れて拘束される、牢屋に入れられて縛られる……そんな緊迫感のあるシーンってありますよね。
バトルアニメなんかでは、こうした場面がストーリー展開の中で意外と重要だったりします。
そして「拘束」といっても、実はいろいろなパターンがあります。
戦闘直後に相手の動きを封じるためにロープで体や腕を縛ったり、牢屋に入れたあとに手枷や足枷を付けたり。暴れる敵には、拘束服を着せて対応したり……。
こうした細かい違いが、そのシーンのリアリティを大きく左右します。
ちなみに、緊縛というのは近年では「ロープアート」や「現代アート」「パフォーマンス」としても認識されていて、世界中で「Shibari(シバリ)」や「Kinbaku(キンバク)」という言葉で親しまれています。
数年前、渋谷のアートギャラリーで緊縛をテーマにした展示があったのですが、建物全体を縄で縛るという、かなり斬新なインスタレーションがあって印象に残っています。
というわけで今回は、アニメのシーンを想定しながら、「キャラクターが拘束される状態」をAIイラストで再現できるようなプロンプトを、具体的に紹介していきます。
基本の拘束プロンプト一覧と使い分け
それでは、早速紹介していきます。
まずはシンプルに使いやすいプロンプトから紹介します。

NovelAI

Stable Diffusion
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 体を縛る・緊縛 | bound together bondage shibari |
| – 戦場 | battlefield, gray sky, dust cloud |
体を縛るプロンプトは、上で紹介した3つがもっとも一般的です。ちなみに「Shibari(シバリ)」という言葉は、アートの分野では世界中で知られていて、AIもこの単語をプロンプトとして認識することが多いです。
ざっくりとした使い分けはこんな感じです。
| 意味合いの種類 | プロンプト |
|---|---|
| 拘束する | bound together, bondage |
| 芸術的に縛る | shibari |
「bound together」や「bondage」は、体をシンプルに拘束するイメージが強めです。たとえばロープだけでなく、革(レザー)や鎖(チェーン)、手錠(ハンドカフ)、ハーネス(拘束具)などと組み合わせると、より自然に使えます。
一方で「shibari」は、縄を使った縛り方が中心で、特に縛り方の複雑さ(亀甲縛りのような)に寄った表現としてAIに解釈されることが多いです。縄の色が赤っぽくなることもあります。
アニメのストーリーに合わせてキャラクターが拘束される場面を描きたい場合には、「bound together」や「bondage」を軸にプロンプトを組み立てるのが使いやすいと思います。
体の部位別・縛りプロンプト
続いては、もう少し具体的なシチュエーションに合わせて使えるプロンプトを紹介していきます。
部位を指定して拘束するプロンプト
縛られた腕(前)

bound arms front
縛られた腕(後)

bound arms back
足を縛る

bound legs
太ももを縛る

bound thighs
足首を縛る

bound ankles
上半身を拘束

bound torso
猿轡(さるぐつわ)

cleave gag
開口器

dental gag
ボール状の口枷

ball gag
| プロンプト | 意味 |
|---|---|
| bound arms front | 縛られた腕(前) |
| bound arms back | 縛られた腕(後) |
| bound legs | 足を縛る |
| bound thighs | 太ももを縛る |
| bound ankles | 足首を縛る |
| bound torso | 上半身を拘束 |
| cleave gag | 猿轡(布などを噛ませて口を塞ぐ) |
| dental gag | 医療器具用の開口器 |
| ball gag | ボール・球体で口を塞ぐ(口枷) |
縛る素材や道具のプロンプト
リボン縛り

ribbon bondage
テープで拘束

tape bondage
縄で縛る

rope bondage
鎖での拘束

chain bondage
ハーネスによる拘束

harness bondage
魔法による拘束

glowing magical ropes bondage
鎖と重い鉄球でできた拘束具

ball and chain restraint
拘束衣

straitjacket
拘束ミトン

bondage mittens
腕や足だけを拘束する板

stocks
| プロンプト | 意味 |
|---|---|
| ribbon bondage | リボン縛り |
| tape bondage | テープで拘束 |
| rope bondage | 縄で縛る |
| chain bondage | 鎖での拘束 |
| harness bondage | ハーネスによる拘束 |
| glowing magical ropes bondage | 魔法による拘束(安定性:やや低い) |
| ball and chain restraint | 鎖と重い鉄球でできた拘束具 |
| straitjacket | 拘束衣 |
| bondage mittens | 拘束ミトン |
| stocks | 腕や足だけを拘束する板 |
触手や蛇など特殊な拘束のプロンプト(ファンタジー)
触手による拘束

ヘビによる拘束

| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 触手による拘束 | tentacles bound arms |
| ヘビによる拘束 | snake restraint snake wrapped around body |
どちらのプロンプトも、やや再現性にばらつきがあります。
アニメのバトルシーンなどで、モンスターや触手に拘束されるような状況を想定して作成しています。どちらの場合も、どの部位が拘束されているかを具体的に書いておくと、より安定しやすくなります。
ポーズや体勢ごとの拘束プロンプト

ここからは、縛り方のバリエーションを再現するためのプロンプトを紹介していきます。
主にアニメイラストのバトルシーンや、敗北後に拘束されるような状況を想定して作っています。以降は、男性キャラをベースに見ていきましょう。
逆海老縛り(うつ伏せ・背中縛り)のプロンプト

muscular male, facial hair, scar on face, blonde hair, muted blue eyes, looking down, dirty face, armor with heraldry over pants, boots, arched back, on stomach, hogtie, bondage, from side, gray sky, battlefield, dust cloud
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 逆海老縛り | hogtie, bondage, arched back, on stomach |
手首と足首を背中の上で一緒に縛る拘束の方法です。体が丸く反り返って、エビのような形になることから、こう呼ばれています。
スプレッダーバーで脚を広げて拘束するプロンプト

middle-aged muscular male, facial hair, scar on face, blonde hair, muted blue eyes, looking down, three quarter view, dirty face, armor with heraldry over pants, boots, lying, spread legs, spreader bar restraint ankles, gray sky, battlefield, dust cloud
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| スプレッダーバーによる拘束 | spreader bar restraint ankles, spread legs, lying |
両脚を鉄製の棒などで固定して拘束された状態を再現するためのプロンプトです。
全身を包帯のように巻くミイラ縛りのプロンプト

middle-aged muscular male, facial hair, scar on face, blonde hair, looking down, three quarter view, dirty face, sitting on iron chair, mummy costume, mummy binding, full body wrap, indoors, dust cloud, dungeon,
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| ミイラ縛り | mummy costume, mummy binding, full body wrap |
腕を縛って上に吊るす拘束プロンプト

middle-aged muscular male, facial hair, scar on face, blonde hair, looking down, dirty face, armor, pants, arms up, bound arms, hanging, own hands together, dust cloud, dungeon, crowd
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 腕を縛って吊るす | hanging, bound arms, arms up, own hands together |
吊るす状態を表すプロンプトは「hanging」です。これを使うと、キャラクターが吊るされている様子になります。さらに、腕が縛られていることを表現したい場合は、そこに要素を追加していきます。「own hands together」を加えると、手が合わさっている状態を指定できるので、より安定した再現がしやすくなります。
体を縛って後ろ手で吊るす拘束プロンプト

| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 体を縛って吊るす | hanging, bound torso, arms behind back, suspension |
体が縛られて吊るされる状態を再現する場合は、「arms behind back(腕を後ろにまわす)」を加えることで、構図が安定しやすくなります。
Y字・T字に腕を広げて吊るす拘束プロンプト

middle-aged muscular male, facial hair, scar on face, blonde hair, dirty face, armor, bound arms, arms up, separated arms, y-shaped suspension, indoors, dust cloud, dungeon, crowd
| 内容 | プロンプト |
|---|---|
| 体を縛って吊るす | bound arms, arms up, separated arms, y-shaped suspension |
| – 腕をT字に広げる | t-pose |
「y-shaped suspension」がうまく反応しないときは、「t-pose」で代用することもできます。
ときどき、磔のような木の棒が描かれる場合もありますが、概ねY字に吊るされた状態を再現することができます。
まとめ
今回は、ファンタジーの世界観やバトル系のアニメシーンに登場する「拘束」や「縛り」の状態を、AIイラストで自然に表現するためのプロンプトを紹介してきました。
単に「縛られている」という状況でも、どの部位が拘束されているのか、どういった道具を使っているのか、体勢や構図まで含めることで、AIが描くイラストの精度は大きく変わってきます。
「shibari」や「bondage」のような基本語に加えて、スプレッダーバーやミイラ縛り、吊るし方の違いなど、細かく指定できるプロンプトも紹介してきました。
そして何より、どんな状況でキャラクターが拘束されているのか ── 戦闘直後なのか、牢屋の中なのか、魔法によるものなのか ── そうした背景を意識したプロンプトづくりが、イラスト全体のリアリティに直結します。
今回紹介したプロンプトを実際に生成してみて、「もう少しこうしたい」と思ったら、そこから試行錯誤して調整していくのが、AIイラストの面白さでもあります。
自分の描きたいシーンやキャラクターの状況に合わせて、プロンプトを組み合わせたり、微調整したりしながら、ぜひぜひ納得のいく1枚を作ってみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

