
本記事では、体の特定の部位をアップにして大きく見せる構図を作るためのプロンプトと、そのコツを紹介していきます。
AIイラストをやっていると、一度は試したくなるのが「特定部位をアップにしたイラスト」。
目のどアップ、上半身だけのアップ、太もものアップ、肩だけのアップ…。さらには「唇から下だけで上半身をアップにしたい」「腰回りだけをアップで描きたい」など、色んなパターンがあります。

でもこれ、地味に難しかったりします。
「close-up ~」と入れても思った通りにならなくて、AIイラストで躓きやすいポイントのひとつです。
そこで今回は、部位別のアップに効くプロンプトを整理しました。安定してクローズアップを再現する方法や、フレーミングの調整に役立つヒントも合わせて解説しています。
すべてのプロンプトはそのままコピペで使えます。AIイラストの練習や作品づくりのときに、ぜひ使ってみてください。
部位アップを成功させる基本プロンプトと考え方
体の特定部位をアップするコツは、大きく3つあります。
- close-up ~ のプロンプトを使う
- 特定部位のプロンプト記述量を増やす
- 不要な部位は「… out of frame」でカットする
この3つを押さえておけば、自由自在に「部位アップ」のAIイラストが作れます。
顔を見切れさせるプロンプト
たとえば、顔を見切れるようにするには「head out of frame」というように記述します。体のアップを再現するために頻繁に使用するプロンプトです。
ここからは部位ごとに1つずつ丁寧にプロンプトを紹介していきます。
顔の部位をアップにするプロンプト
それでは早速みていきましょう。
まずは顔の部位のアップから紹介していきます。
顔アップのプロンプト

1girl, long straight light blue hair, blunt bangs, red eyes, catchlight, tareme, light smile, serafuku, head tilt, close-up face

1girl, long straight light blue hair, high detailed hair, blunt bangs, visible ears, red eyes, catchlight, tareme, light smile, light pink glossy lips, extreme close-up face, crown of the head out of frame
内容 | プロンプト |
---|---|
顔のアップ | close-up face |
顔のどアップ | extreme close-up face |
– 頭頂部をフレーム外へ | crown of the head out of frame |
オーソドックスな顔アップなら、「close-up face」 でシンプルに再現できます。これは特に難しくなく、安定して出せるプロンプトです。
もっと寄せたい場合は、「extreme close-up face」+「crown of the head out of frame」 を組み合わせるのがおすすめ。頭頂部をフレーム外に出すことで、自然に顔のどアップになります。さらに、瞳や唇など顔のパーツを細かく書き足すと、クローズアップがより安定します。
ただし注意点があります。顔以外のプロンプトを混ぜるとAIが混乱しやすいこと。よくあるのが「skirt」や「medium breasts」といった要素を同時に指定してしまうケースです。これらがあるとスカートや胸を描こうとしてしまい、結果的に顔のアップから外れてしまいます。
瞳・唇・鼻・耳アップのプロンプト一覧
次は顔の各パーツ(部位)をアップにするプロンプトです。
瞳のアップ

close-up eye
唇のアップ

close-up lips
鼻のアップ

close-up nose
耳のアップ

close-up ear
内容 | プロンプト |
---|---|
瞳のアップ | close-up eye |
唇のアップ | close-up lips, glossy lips, eyes out of frame |
鼻のアップ | close-up nose, eyes out of frame, from side |
耳のアップ | close-up ear, closed eye, nose out of frame, from side |
– どアップにする場合 | extreme close-up […] |
– 特定の部位をフレーム外へ | […] out of frame |
– 顔が見切れる | head out of frame |
– 目をフレーム外へ | eyes out of frame |
各部位をアップで描くときは、不要なパーツをフレーム外に指定するプロンプトを組み合わせるのがコツです。その組み合わせを分かりやすく表に整理しています。
前提として大事なのは、服や余計な要素を入れないこと。顔のパーツをアップにしたいなら、必要なプロンプトは「その部位」だけに絞る。これが安定したクローズアップ再現の基本になります。
上半身をアップで再現するプロンプト
まずは体全体を、どこまでフレームに入れるかで少しずつアップにしていきます。
「全身」「膝上」「胸まで」など、段階ごとに使えるプロンプトを紹介します。
その流れで、さらに細かく――上半身の各部位をアップで再現するためのプロンプトについても解説していきます。
フレーミング調整プロンプト(全身から上半身まで)
全身

full body shot
膝下がフレーム外

feet out of frame
膝が入る

knees visible
膝から上

cowboy shot
腰から上

upper body, skirt
お腹から上

upper body, waist
胸から上

bust shot
胸より上

portrait
内容 | プロンプト |
---|---|
全身 | full body shot |
膝下がフレーム外 | feet out of frame |
膝が入る | knees visible |
膝から上 | cowboy shot |
腰から上 | upper body, skirt |
お腹から上 | upper body, waist |
胸から上 | bust shot, medium breasts |
胸より上 | portrait, headshot |
体のフレームの入れ方を調整するために、ここでは8段階のプロンプトを用意しました。
たとえば膝まで入れたいときは、服のプロンプトを指定したうえで 「knees visible」 を加えると自然に膝あたりまで描写されます。腰あたりまでなら、シンプルにスカートなどボトムスのプロンプトを入れておくと、ほんの少し下まで入りやすいです。そこから「もうちょっと上から切りたい」と思ったら 「waist」 や 「navel(おへそ)」 を加えて調整します。その代わり、スカートなどのボトムス指定は外してください。
waist自体が腰って意味なので、同じっちゃ同じなのですが――waistを入れることでボトムスの服プロンプトを消せるというのがポイント。これをうまく活用すると安定します。
さらに上を狙うなら 「bust shot」 や 「portrait」 が便利です。胸まで入れたいときは「medium breasts」などでバストサイズを指定すると胸あたりからフレームに入ります。逆に肩までで止めたい場合は、バストサイズ指定を外しておくと自然に肩あたりからのフレーミングになります。
肩・背中アップのプロンプト
肩のアップ

close-up shoulder
背中のアップ

close-up back
内容 | プロンプト |
---|---|
肩のアップ | close-up shoulder, eyes out of frame, strap gap, from side |
背中のアップ | close-up back, nape, crown of the head out of frame, facing away, from behind |
肩のアップを狙うときは、横からのアングルがきれいに決まります。そこに 「strap gap」 を加えると、肩紐が少し浮いて肌との隙間が出るので、横から見たときのリアリティがぐっと増します。
背中のアップは少しプロンプトが多めになりますが、ベースはシンプルに 「close-up back」。
ここに角度指定や補助のプロンプトを足していくと、背中のラインをきれいに見せることができます。
胸部・鎖骨アップのプロンプト
胸部のアップ

close-up chest
鎖骨のアップ

close-up collarbone
内容 | プロンプト |
---|---|
胸部のアップ | close-up chest, eyes out of frame, glossy chest |
鎖骨のアップ | close-up collarbone, delicate collarbone, eyes out of frame, visible nose, |
胸部のアップを出したいときは、まず 「eyes out of frame」 を入れて目をフレーム外にします(顔を見切れるようにする)。さらに 「glossy chest」 を加えると、表面にほんのりツヤ感が出て、仕上がりが自然に見えます。
お腹・手・肘・腕・脇アップのプロンプト
お腹のアップ

close-up waist
背中・腰回りのアップ

close-up back, waist
手のアップ

close-up hand
肘のアップ

close-up elbow
腕のアップ

close-up arm
脇のアップ

close-up armpits
内容 | プロンプト |
---|---|
お腹のアップ | close-up waist, eyes out of frame, navel, arched back, from below, dutch angle |
背中・腰回りのアップ | close-up back, waist, head out of frame, facing away, from behind |
手のアップ | close-up hand, fingernails, wrist gap, head out of frame |
肘のアップ | close-up elbow, bent elbow, eyes out of frame, from below, dutch angle |
腕のアップ | close-up arm, head out of frame, from side |
脇のアップ | close-up armpits, armpit peek, arm up, eyes out of frame |
– 光の演出(逆光) | backlighting |
各部位をクローズアップするときに最適なプロンプトの組み合わせは、表にまとめています。たとえばお腹や肘のアップは、そのままだと単調になりがち。そこで 「dutch angle」 を加えて画面を少し傾けると、動きが出て自然に収まります。
また好みにもよりますが、「backlighting」 を入れると逆光の演出が可能です。光が体の縁に差し込むことで、アップにした部位に立体感が生まれます。
顔をフレーム外にした上半身アップのプロンプト
ここまで紹介したプロンプトを組み合わせれば、顔だけをフレーム外にした上半身アップも安定して再現できます。

1girl, long straight jet black hair, white serafuku, upper body, eyes out of frame
下半身をアップで再現するプロンプト
続いて、下半身の各部位をクローズアップするプロンプトを紹介します。
対象となるのは、ヒップまわり・太もも・足・膝裏・お尻などです。
下半身のみを描写する基本プロンプト

内容 | プロンプト |
---|---|
下半身のみをフレームに入れる | lower body only |
下半身だけをフレームに入れたいときは、このプロンプトを使います。ベーシックな指定ですが、これをベースにすれば下半身の各部位をクローズアップで再現できます。
太ももアップのプロンプト(正面・横・裏もも)

内容 | プロンプト |
---|---|
太もものアップ(正面) | lower body only, close-up thighs, knees out of frame |
太もものアップ(横) | lower body only, close-up thighs, knee up, sitting, from side |
裏もものアップ | lower body only, close-up thighs, kneepits, sitting, from side, |
太ももの正面アップでは、「knees out of frame」 を入れて膝が入らないように指定します。…が、大抵は少し入ってしまいます(汗)。
それでも、この指定がないと引きの構図になりやすいため、入れておいたほうが太ももアップには安定します。
裏もものアップでは、「kneepits(膝裏)」 を入れると体が少しひねられる動作になりやすく、それを狙って再現できます。必要に応じて 「twisted torso(体をひねる)」 を加えるのもアリです。
膝・膝裏アップのプロンプト
膝のアップ

close-up knees
膝裏のアップ

close-up kneepits
内容 | プロンプト |
---|---|
膝のアップ | lower body only, close-up knees, sitting, straight-on, dutch angle |
膝裏のアップ | lower body only, close-up kneepits, dutch angle |
膝のアップを出したいときは、画面を少し傾けて真正面から捉えるようにプロンプトを組むと、安定して成立しやすいです。
ヒップ(お尻)アップのプロンプト

内容 | プロンプト |
---|---|
お尻(ヒップ)のアップ | lower body only, close-up butt, butt out |
– 推奨アングル | from behind, from below, dutch angle |
お尻のアップは、比較的かんたんに再現できます。
そして全体に共通するポイントですが、人の体は縦に長いので、クローズアップする場合はアングルを斜めに傾けるのが有効です。フレームを斜めに横切るように描写されるため、フレーム内を無駄なく収められ、イラストのバランスも取りやすくなります。
そのため今回のクローズアップ用プロンプトでは、「dutch angle」 を多めに取り入れています。
足アップのプロンプト

内容 | プロンプト |
---|---|
足のアップ | extreme close-up feet |
– 推奨の仕草 | tiptoes, pigeon-toed |
足のアップを狙うときは、足以外のプロンプトをほぼ除去するのがコツです。足まわり以外の指定が少しでも残っていると、きれいに足だけのアップになりません。
さらに、「tiptoes(つま先立ち)」 や 「pigeon-toed(内股)」 を加えると立ち方に動きが出て、単調になりにくくなります。
なお、以下の記事にて足の裏をAIイラストで再現するためのプロンプトを解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
アップがうまく再現できないときのチェックリスト
体の特定部位をアップにしたいのに、「ちゃんとプロンプトを入れたはずなのにうまくいかない…」ということはよくあります。
多くの場合、ほかのプロンプトが干渉してAIが混乱しているのが原因です。
そこで、忘れがちな干渉プロンプトをリストにまとめました。思うようにアップにならない時は一度チェックしてみてください。
カテゴリ | 残っているプロンプト例 | 問題点(なぜ干渉するか) |
---|---|---|
表情 | light smile , angry face など | 下半身のみを描きたいときに、顔や表情を無理に生成しようとする |
瞳 | blue eyes , detailed iris など | 顔をフレーム外にしたいときでも、瞳を描写しようとしてしまう |
下半身アイテム | skirt , shoes , leggings など | 上半身アップを描きたいときに、下半身を出そうとして干渉する |
バストサイズ | large breasts , flat chest など | 下半身や背中アップを狙うときに、胸部描写が優先されてしまう |
前髪/ヘアスタイル | bangs , fringe hair , long bangs など | 下半身アップでも顔や髪を描こうとしてしまい、不要な干渉を招く |
部位アッププロンプトのまとめ一覧
最後に、総まとめとして本記事で紹介した体の各部位アップ用プロンプトを一覧表にまとめました。
見返しながら試したいときに、ぜひ活用してください。
ターゲット/目的 | 基本プロンプト | 補助(角度・除外・演出など) |
---|---|---|
クローズアップの基本(共通) | close-up / extreme close-up | (部位以外は)… out of frame/head out of frame/crown of the head out of frame |
顔のアップ | close-up face | — |
顔のどアップ | extreme close-up face | crown of the head out of frame |
瞳のアップ | close-up eye | — |
唇のアップ | close-up lips | glossy lips, eyes out of frame |
鼻のアップ | close-up nose | eyes out of frame, from side |
耳のアップ | close-up ear | closed eye, nose out of frame, from side |
全身フレーミング | full body shot | — |
膝下がフレーム外 | feet out of frame | — |
膝が入る | knees visible | — |
膝から上 | cowboy shot | — |
腰から上 | upper body, skirt | — |
お腹から上 | upper body, waist | — |
胸から上 | bust shot | (必要なら)medium breasts |
胸より上 | portrait / headshot | — |
肩のアップ | close-up shoulder | eyes out of frame, strap gap, from side |
背中のアップ | close-up back | nape, crown of the head out of frame, facing away, from behind |
胸部のアップ | close-up chest | eyes out of frame, glossy chest |
鎖骨のアップ | close-up collarbone | delicate collarbone, eyes out of frame, visible nose |
お腹(腰)アップ | close-up waist | eyes out of frame, navel, arched back, from below, dutch angle |
背中・腰回りアップ | close-up back, waist | head out of frame, facing away, from behind |
手のアップ | close-up hand | fingernails, wrist gap, head out of frame |
肘のアップ | close-up elbow | bent elbow, eyes out of frame, from below, dutch angle |
腕のアップ | close-up arm | head out of frame, from side |
脇のアップ | close-up armpits | armpit peek, arm up, eyes out of frame |
光の演出(逆光) | backlighting | — |
顔を外した上半身アップ | upper body | eyes out of frame |
下半身のみ(基本) | lower body only | — |
太ももアップ(正面) | lower body only, close-up thighs | knees out of frame |
太ももアップ(横) | lower body only, close-up thighs | knee up, sitting, from side |
裏ももアップ | lower body only, close-up thighs | kneepits, sitting, from side |
膝のアップ | lower body only, close-up knees | sitting, straight-on, dutch angle |
膝裏のアップ | lower body only, close-up kneepits | dutch angle |
ヒップ(お尻)アップ | lower body only, close-up butt | butt out, from behind, from below, dutch angle |
足のアップ | extreme close-up feet | tiptoes/pigeon-toed |
今回は、顔や瞳、胸や太ももなど、体の特定部位をアップで描くときに役立つプロンプトをまとめました。
「close-up」や「out of frame」の組み合わせ方、角度や光の工夫など、実際に試しやすい形で整理しています。
また、思い通りにいかないときに見直すチェックリストも用意したので、困ったときに役立ててもらえると思います。コピペしてすぐ試せるので、制作の効率を上げたいときにも便利です。
少しでも参考になればうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。