今回は、美少女イラストをつくるときに使える、目線・視線のパターンをまとめて紹介します。プロンプトとイラストをセットで見られるようにしています。
目線って、けっこうイラストの印象を左右します。どこを見てるかで、見る側の感じ方が変わるんですよね。これはアートの考え方でもちゃんと整理されていて、イラストだけじゃなくて、絵画や映像作品でもいろんな視線の使い方があります。そこでこの記事では、目線ごとのプロンプトとあわせて、それぞれの視線がどんな効果を持つのかも、わかりやすく解説していこうと思います。
視線のパターン11種とプロンプトの使い方一覧
まずは、視線の種類を11パターンに分けて、それぞれに使えるAIプロンプトと、どういう場面に合うかをまとめていきます。プロンプト付きでそのまま使える内容になっています。
カメラ目線|真正面から見ている構図


looking_at_viewer
演出効果:キャラクターと見る人の目が合うことで、キャラの存在を強く印象づける効果があります。
- 目が合っているように見えることで、キャラクターが印象に残りやすい。
- 見る人がキャラクターと同じ立場にいるように感じやすくなる。
- 正面構図と組み合わせると、感情や存在感を直接伝えられる。
最もオーソドクスな目線です。この目線は、キャラクターと見る側がしっかり「目が合っている」状態をつくります。そのため、見ている人がまるで絵の中に入り込んで、キャラと対等な位置に立っているような感覚になります。キャラクターの気持ちや存在感がストレートに伝わるため、特にセンター構図との組み合わせで強い印象を与えます。
顔は横向き+目だけカメラ目線|横顔で意識を伝える構図


profile view, looking_at_viewer
演出効果:顔と目の向きが違うことで、キャラがこちらを意識しているように見えやすくなります。
- 顔と目の向きがずれることで、目線がわざと向けられているように見える。
- 横顔のラインを見せながら視線だけでこちらを意識させることができる。
顔の向きは横だけど、目だけはこちらを見ている――そんなズレがあることで、視線に強い“意図”が生まれます。「こちらを意識しているな」と自然に感じられやすく、横顔の美しさも活かせるので、視線と造形の両方を見せたいときにぴったりです。
視線を逸らす(無関心)|自然な空気感を出したいとき


looking_away
演出効果:キャラが自分の世界にいるような印象をつくり、自然な雰囲気を出すのに役立ちます。
- 目が合わないことで、見る人は観察している立場になる。
- キャラクターが何かを考えていたり、無関心であるように見える。
- 日常の一場面として描きやすく、リアリティが出やすい。
この目線は、キャラクターがこちらをまったく意識していない印象をつくります。
鑑賞者との関係性が生まれにくくなるため、逆に「その場の空気感」や「キャラがそこに自然にいる感じ」が強調されます。日常の中のワンシーンとして使うと、とても自然な画になります。
視線を伏せる|内向的・思索的な雰囲気を作る


looking_down (downcast eyes)
演出効果:キャラが静かに考えごとをしているような雰囲気を表現できます。
- 視線を下に向けることで、内向的な印象を作りやすい。
- 光の当たり方でまぶたや頬に自然な陰影が出やすくなる。
- 感情を強く出さずに静かな雰囲気を表現したいときに使える。
目線を下に落とすことで、キャラクターが物思いにふけっていたり、気持ちを内に向けているように見せることができます。また、まぶたや頬に陰影が入りやすくなるので、落ち着いた雰囲気や立体感を出したい場面にも向いています。
視線を横に流す|何かに気づいている印象を出す


looking_to_the_side
演出効果:キャラが何かに注目しているように見せることで、シーンに広がりを持たせることができます。
- キャラクターが何かを見ているように感じさせやすい。
- 画面の外に意識が向くため、ストーリー性を持たせやすい。
- 視線方向に空間を取ることで、広がりのある構図にできる。
顔と目が同じ方向を向き、その視線が画面の外へと向かっていく構図です。見る側は「何を見ているのかな?」と想像する余地が生まれ、シーンに広がりが出てきます。背景に空間を持たせると、物語性もより強く感じられます。
目を閉じている|静けさや落ち着きを表現する


eyes_closed
演出効果:目を閉じることで、キャラが落ち着いていたり、集中している印象を与えやすくなります。
- 視線がないため、見る人との関係が感じにくくなる。
- キャラクターが一人の世界にいるような印象を作りやすい。
- 落ち着き、睡眠、祈りなど、静かな場面に向いている。
目を閉じることで、キャラクターが自分の内側に集中しているような印象になります。
見る人とのつながりが断たれるぶん、そのキャラの気持ちや状態を“外からそっと眺める”ような立場になります。安らぎや静けさを出したいときに効果的です。
上目遣い|目線で感情を強調したいときに


chin_tilted_down, eyes_looking_up
演出効果:見る人のほうを意識している感じが強まり、目線の印象がとてもはっきり伝わります。
- 顔は下を向いていても目だけがこちらを見ることで目線が際立つ。
- 目立ちやすい構図なので、見る人の注意を引きやすい。
- 照れや無垢さなど、感情のニュアンスを出すのにも向いている。
顔の角度と視線の向きが違うことで、見る側に強く“目線を向けられている”感覚が生まれます。
この目線はインパクトが強く、キャラの感情や距離感をコントロールしやすいのが特徴です。親しみや照れ、反抗など、いろんな印象を持たせることができます。あざとい可愛い女の子を作るときにもよく使われます。
見上げる視線(仰ぎ見る)|下からの関係性を作る


looking_up_at_viewer
演出効果:キャラが下から見ている構図になるため、見る人との関係に差があるように感じられます。
- キャラクターが下から見上げることで、見る人が上にいるように見える。
- 位置の差があることで、関係性に変化や距離感を出しやすい。
- 視線と一緒に空間の高さを感じさせたいときに使いやすい。
キャラクターが下の位置からこちらを見上げてくる目線です。
この構図では、見る側が自然と“高い位置にいるような感覚”になります。キャラクターとの関係性にちょっとした上下が生まれ、「守ってあげたくなるような印象」を作りたいときに使いやすいです。
顔と逆方向の視線|動きの前兆や注意を伝える


face_turn_left, eyes_glancing_right
演出効果:キャラが周囲の何かに反応しているように見せることができ、動きの前ぶれを感じさせます。
- 顔と目の方向がずれているため、何かに気づいたように見せられる。
- 一時的な動きや緊張感を伝えることができる。
- 視線で画面の中に変化を加えたいときに使える。
顔はある方向を向いているのに、目だけが反対方向を見ている――そんなズレがあると、キャラが「何かに気づいた」ように感じられます。ちょっとした緊張感や注意が生まれるので、動きやストーリーの前兆を見せたいときに効果的です。
振り返ってこちらを見る|一瞬の視線をとらえる構図


over_the_shoulder, looking_at_viewer
演出効果:キャラがふいに振り返ったような場面をつくることで、印象に残りやすい視線になります。
- 背を向けた状態から視線だけがこちらを向いている構図になる。
- 振り返る動作が入るため、一瞬の動きを感じさせやすい。
- 物語の流れや時間の区切りを印象づけるのに使いやすい。
キャラクターが背を向けていたのに、ふとこちらを振り返る――そんな一瞬を切り取ると、すごく印象的な構図になります。「今、視線がちょうど合った」と感じられることで、絵の中の“時間”がとてもリアルに感じられます。
遠くを見つめる|奥行きと静けさを演出したいとき


staring_into_the_distance
演出効果:キャラが遠くを見ていることで、背景や空間に意味を持たせたり、静かな雰囲気を出すことができます。
- 視線が画面の外に向いていることで、余白や奥行きを感じさせられる。
- キャラクターの考えていることや感情を直接描かずに表現できる。
- 静けさや思索的な雰囲気を出したい場面に適している。
キャラクターが画面の外の遠くを見ていると、その視線の先を想像したくなります。
何を見ているのか、どんなことを考えているのか――見る人が自然と考えるようになります。背景の広がりとあわせて、静かで深い空気を作るのにぴったりです。
11種類の視線パターンとプロンプト一覧表(コピペ可)
ここまでに紹介した目線と顔の向きのプロンプトを一覧表にしたものです。ぜひAIイラスト制作の際の設定資料として使用すると便利だと思います。
目線・顔向きの種類 | プロンプト(呪文) | 効果概要 |
---|---|---|
カメラ目線 | looking_at_viewer | 目が合うことで、印象がしっかり残る。距離が近く感じられる。 |
顔は横向き+目だけカメラ | profile view, looking_at_viewer | 横顔を見せつつ、こちらを意識しているように感じさせられる。 |
視線を逸らす | looking_away | カメラを気にせず自然に見える。さりげない雰囲気が出る。 |
視線を伏せる | looking_down (downcast eyes) | 控えめで落ち着いた印象に。ちょっと内向きな雰囲気も出しやすい。 |
視線を横に流す | looking_to_the_side | 別の何かに気を取られているように見せられる。少し余裕を感じる。 |
目を閉じている | eyes_closed | 静かに過ごしている感じ。心が落ち着いている印象になる。 |
上目遣い | chin_tilted_down, eyes_looking_up | 見上げる視線が印象的。少し可愛らしさや素直さも感じさせられる。 |
見上げる視線(仰ぎ見る) | looking_up_at_viewer | 見上げることで、相手との高さの差や距離感が出やすい。 |
顔と逆方向の視線 | face_turn_left, eyes_glancing_right | なにかに気づいたような動きを感じさせられる。少しドキッとするような視線に。 |
振り返ってこちらを見ている | over_the_shoulder, looking_at_viewer | 動きの途中にふとこちらを見たような自然さが出る。時間の流れも感じやすい。 |
フレーム外の遠くを見ている | staring_into_the_distance | 視線の先を想像したくなるような、静かで広がりのある雰囲気になる。 |
作例|視線と顔の向きだけで変わるイラストの雰囲気
次は、実際に視線を変えるだけでイラストの雰囲気がどう変わるのかを、具体的な作例で紹介します。構図やポーズが似ていても、目線が少し違うだけで印象が変わることがわかるはずです。それぞれのプロンプト付きで確認できます。
どれも特別に大きな動きはしていませんが、視線の変化でイラストの雰囲気が変わっているのが分かると思います。

gazing directly at the viewer, calm neutral expression, chin resting on hand, seated pose, horizontal composition

profile view, face turned forward, eyes glancing directly at the viewer, calm neutral expression, walking pose, horizontal composition

eyes looking away toward the window, not acknowledging the viewer, serene and contemplative expression, seated pose, horizontal composition

head bowed, eyes downcast toward the pavement, introspective and silent expression, standing pose, horizontal composition

profile view, face turned left, eyes glancing right out the window, calm and introspective expression, seated pose, horizontal composition

eyes gently closed, face slightly tilted right, peaceful lying pose on grass, soft relaxed expression, horizontal composition

chin tilted down, eyes looking up at the viewer, soft pout expression, seated across table, horizontal composition

chin tilted down, eyes wide open looking up at the viewer, subtle upward tension in gaze, seated on ground leaning back, horizontal composition

face turnedright, eyes glancing left toward the viewer, soft serious expression, upright seated pose, horizontal composition

over-the-shoulder pose, head turned back, eyes glancing gently at the viewer, soft composed expression, walking away posture, horizontal composition

head turned rightward, eyes staring into the distance beyond the frame, serene and introspective expression, standing pose leaning on railing, horizontal composition
まとめ|目線の違いがイラストの印象を決める
画像AIでイラストを作るときって、大抵はカメラ目線になりますよね。たぶん、AIが学習してきたイラストの多くがカメラ目線だから、それが「ふつう」として扱われているんだと思います。
でも、そこであえて目線を変えてみると、それだけでイラストの雰囲気ががらっと変わります。同じ構図でも、カメラ目線かそうでないかだけで、キャラクターの印象がぜんぜん違って見えるんです。
たとえば、SNSでよく見かけるような美少女イラストに、ちょっとだけ「外し」を入れてみる。カメラ目線じゃなくて、ふと遠くを見るような視線を加えるだけで、新鮮さが生まれます。たとえば「振り返って、でも視線は遠く」なんて組み合わせにすると、キャラが何か画面外に気づいたようなシーンができあがる。見ている人にも、「あ、何かあるのかな?」って想像させることができます。
こんなふうに、目線や顔の向きを少し工夫するだけで、イラストの雰囲気ってすごく変わります。いろんなパターンを組み合わせて、ちょっと違った空気感を持った1枚を作ってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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