本記事では、AIイラストで横顔を再現するためのプロンプトを、イラスト付きで解説していきます。
AIイラストで地味に少し難しいのが、キャラクターの横顔の再現です。画像AIは、デフォルトの状態だと最も安定しやすい構図を選ぶ傾向があります。何も指定しないと、正面構図になりやすく、横顔を思ったように出すにはちょっとコツがいります。
今回は、AIでキャラクターの横顔を安定して生成できるように、コピペで使えるプロンプトを紹介していきます。少し複雑な構図も含めて、すべてプロンプト付きで整理しています。
AIで横顔を描くときの角度別プロンプト
横顔の基本3パターン(完全横/斜め前/斜め後ろ)
キャラクターの横顔を再現するための基本プロンプトは「side profile」です。これを加えることでキャラクターがカメラから見て横を向いてくれます。
完全な横顔

side profile
やや前向きの横顔

three quarter front view
やや斜め後ろからの横顔

three quarter back view
ざっくりと横顔でいい場合は「side profile」だけで十分です。ここから、完全に真横だったり、ちょっと斜め気味など、横顔の角度を調整してイラストを作成したい場合は、以下の表のプロンプトを使ってください。
横顔のパターン | プロンプト | 解説 |
---|---|---|
完全な横顔(side profile) | side profile, face in full side view, only one eye visible, clear nose bridge | 顔が真横を向き、目は片方のみ見え、鼻筋がくっきりと見える |
やや前向き(3/4 front) | side profile, three quarter front view, face slightly turned toward viewer, clear eyelashes, sharp nose line | 横顔に近いが前向き寄りで、両まつげが見えるが鼻筋は横向きのまま |
やや斜め(3/4 back) | side profile, three quarter back view, face slightly turned away, visible ear, partial cheek hidden | 横顔に近いが背面寄りで、頬の一部が隠れ、耳がよく見える |
構図ごとの横顔イラスト用プロンプトまとめ
ここから紹介するイラストの作例は、ChatGPTの「4o Image Generation」で生成したものです。紹介しているプロンプトは、Stable Diffusion系のAIやNovelAI(Diffusion V4.5 Full)でもちょいちょいと再現性を確認しています。なるべく汎用性を持たせているため他の画像AIでも使用できると思います。
ここからは、構図別の横顔を再現するプロンプトを紹介していきます。
顔をアップで描く横顔プロンプト(extreme close-up)

side profile, extreme close-up from chin to forehead, looking afar, lips slightly parted, moist eyes, tear-glossed lower eyelid, multi-layered irises, glowing eyes, long wet hair clinging to face, semi-transparent strands, wet skin with pink translucency, sharp rim light on eyelashes and cheek, delicate curved lash shadows
思いきり寄って、顔にクローズアップした横顔のイラストです。
プロンプトは「extreme close-up portrait」や「extreme close-up face」あたりが使いやすいです。
ただ、ここまで顔をアップにすると、画像AIによってはうまく生成されないこともあります。
なるべく安定させたいときは、まず瞳まわりの記述を多めに入れるのがポイントです。表情もしっかり書いておくと効果的です。それと、スカートなど下半身の情報が残っていないかも一度見直しておくと安心です。
瞳のプロンプトについては、キャッチライトや虹彩の指定のしかたなどを、下記の記事で詳しくまとめています。よければ参考にしてみてください。
肩まで映す横顔プロンプト(head & shoulders)

side profile, bust shot, head and shoulders only, medium close-up, looking afar, soft moist large eyes, slightly parted lips, calm and fragile expression, fine hair strands crossing cheek, see-through bangs framing forehead, drifting cherry blossom petals, glowing dust particles, pastel bokeh background, pink and green spring trees, white fade on right edge, soft backlight, rim light on hair and cheek, halation and pastel lens flare
一番オーソドックスなスタイルです。
画像比率は横長にしておくと、イラストが安定しやすくなります。横顔のイラストを生成するときに共通して言えるのが、「looking afar(遠くを見つめる)」を加えると目線が外れて、横顔の再現がしやすくなるという点です。
画像AIは、特に指定がない場合、カメラ目線を優先する傾向があります。そのため「side profile(横顔)」と入れていても、顔が正面寄りになってしまうことがあります。
たとえば「顔は横を向けたまま、視線だけはこちらに」といった細かい調整をしたい場合には、視線や目線の指定が重要になります。そのあたりのプロンプトは、以下の記事で詳しくまとめていますので、必要に応じて参考にしてみてください。
上半身までの横顔プロンプト(upper body)

side profile torso-up, upper body, waist-up portrait, half-length, mid shot, looking afar, calm thoughtful expression, lips closed, clean jawline and nose bridge, faint eyelash shadows, painterly pale skin, soft cheek-to-neck gradient, forehead and cheek rim light, soft morning backlight, flowing hair in breeze, blurred rural background, grassy hills, pale sky, ambient haze, early summer atmosphere
少し引き気味の構図で描く、横顔のAIイラストです。このくらいの距離感なら、「upper body」の指定がよく使えます。
あわせて大事になるのが、背景のプロンプトです。
背景の記述が少なすぎると、AIが構図の中心を人物だと判断して、寄り気味のイラストになってしまうことがあります。バランスよく描いてもらうには、背景にも適度な情報を入れておくのがポイントです。
膝上までの横顔プロンプト(cowboy shot)

side profile, cowboy shot, mid-thigh framing, balanced subject-background, looking afar, calm faint smile, lips closed, serene gaze toward horizon, visible nose bridge and single eye, vertical catchlight, glassy moist eyes, soft minimal eyelashes, softly glowing face contour with sunset rim light, hair flowing backward with transparency, standing in golden rice field, glowing orange sky, power lines and transmission tower in distance, warm haze and lavender-tinted clouds on horizon
バストアップから、もう少し引いた構図です。このあたりでは、「cowboy shot(膝から上構図)」の指定が有効になります。
ここまでカメラを引く場合は、背景情報もあわせてしっかり書いておくことが大切です。このイラストでは、稲穂畑や送電線といった要素を入れることで、AIがワイド構図だと認識しやすくなっています。
全身を見せる横顔プロンプト(full body shot)

side profile, full-body, full-length portrait, full body shot, wide field of view, looking afar, calm expression, lips closed, , face lit by warm sunset rim light, flowing hair in ocean breeze, sunset seaside promenade, golden sun low in sky, ocean horizon with golden vertical reflection, clear sky fading from orange to blue, distant cargo ships, warm sea haze and halation glow
思いきり引いた構図で、キャラクターの全身を入れた横顔イラストです。この場合は、「full body shot」のプロンプトを使うとスムーズです。
ここまで引いた構図では、キャラクターと背景の比重がほぼ同じになります。そのため、背景がどんな場所かをしっかり記述しておくと、バランスの取れたイラストになりやすいです。
下半身だけ描く横向きプロンプト(lower body)

from side, lower body, waist-down crop, legs only, lower body frame, elegant long legs, mid-step walking through shallow water, left foot breaking surface, right leg trailing with water droplets, translucent pleated skirt brushing water, damp fabric clinging inward, soft bounce light on legs, rim light on skirt edge and leg contours, skirt shadows over ripples, shimmering water caustics on inner thighs, stone-lined shallow canal, turquoise ceramic tiles, floating cherry petals, water ripples and distortion rings, clear summer daylight, matte texture, painterly refraction effects,
印象的・抽象的なイメージカットを作りたいときに使えるのが、下半身だけを描く構図です。
この場合は「lower body」のプロンプトが基本ですが、うまくいかないときは「lower body only」としてみるのも有効です。
ただ、この構図はAIにとって少し難しく、上半身の情報が混ざっていると不安定になりがちです。顔や髪型、トップスなどの記述が残っていると、AIが迷ってしまうことがあります。
自分でもよくやってしまうのですが、もともとのプロンプトに顔や服の情報を入れたまま、そこに「lower body」と追加しても、なかなか反応してくれないことがあります。
構図を大きく変えるときは、プロンプト全体を一度見直して、不要な情報をきちんと整理しておくのが大事です。
走る・歩く横顔のプロンプト(motion blur)

3/4 side profile, dynamic side view, cowboy shot in motion, running, motion blur, looking afar, head tilted forward, focused expression, gentle lips, sun glare reflection in eyes, defined eyelid rim and lash shadows, mid-run motion, dynamic skirt lift, arms fully in swing, legs in mid-stride, trailing dust and mist from asphalt, blurred urban street background, elevated highway, motion-blurred poles and power lines, roadside grass and vending machines streaked with speed
最後は、動きのある横顔のイラストです。
背景を流したいときは、「motion blur」のプロンプトが使えます。さらに残像を入れたい場合は、「afterimage」を追加すると、キャラクターに動きの軌跡が出ることがあります。
ただし、このあたりは少し運の要素もあって、狙ったような残像になるかどうかは試行回数に左右されることもあります。うまくはまると、動きのある表現として効果的です。
まとめ|構図による違いと横顔プロンプトの使い分け

「横顔+構図のパターン」でイラストとして視覚的にどんな効果があるかをまとめました。
横顔のパターン | イラストの構図 | 得られる主な表現効果 |
---|---|---|
顔だけ side profile, extreme close-up | 顔が画面いっぱいにアップで映る | 感情が強く伝わる/目や表情に集中できる/没入感がある |
肩から上 side profile, close-Up | 顔と肩のラインまでが映る | 親しみやすさと落ち着きがある/性格のニュアンスが出る |
上半身から上 side profile, upper body | 顔・腕・体のひねりまでが見える | 手の動きや姿勢から感情が伝わる/自然なポーズが映える |
膝上ショット side profile, cowboy shot | 太もも上まで映り、全体のバランスがよい | 落ち着いた印象/姿と背景のバランスがよく映画的な構図になる |
全身ショット side profile, full body shot | 頭から足先までが映り、背景も広く入る | 全体の動きや立ち姿が伝わる/背景を使って世界観を演出できる |
下半身のみ from side, lower body | 脚・スカートなど下半身だけにフォーカス | 抽象表現向き、動きや服の揺れに注目が集まり、スタイリッシュな印象になる |
動きのある横顔 side profile, motion blur | 歩く・走る横顔。髪や服がなびく | 動感やスピード感が出る/その場の空気や時間の流れを感じさせる |
ざっくり言うと、横顔イラストでは、「寄れば感情」「引けば物語」が基本です。
顔に寄った構図ほど、表情や視線などの繊細な感情を強く伝えることができます。逆に、カメラを引いて全身や背景を映す構図では、動きや場面の空気感、ストーリー性を表現しやすくなります。
構図の距離を意識するだけで、絵の伝わり方が大きく変わります。
今回の記事では、AIイラストで横顔を再現するためのプロンプトを、角度や構図ごとに整理してきました。
「side profile」など基本の指定から、少し引いた構図、動きのある横顔まで、それぞれに合わせた書き方をまとめています。背景の書き方や視線の調整、余計な情報を削るコツなど、細かいところも含めて見てきましたが、こういった部分が仕上がりを左右する場面は意外と多いように思います。
横顔をどう描きたいかによって、プロンプトの組み立て方も少しずつ変わってくるはずなので、自分の作りたいイメージに合わせて調整してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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