
本記事では、AIイラストでキャラクターに水などの液体をかけるプロンプトと、その使い方について解説しています。
アートにおいて、水はとても活用しやすい題材です。液体には透明性があり、爽やかな印象を与えてくれます。また、流動性があるため ── たとえば、キャラクターが液体をかけている、水が飛び散っている、水が光っている……そんなシーンでは、動きにランダム性が生まれ、爽快感も演出できます。
こうした理由から、水はアートの中でとても魅力的に使える要素です。
そこで今回は、液体をかけるプロンプトと、その効果的な使い方を紹介していきます。
ぜひ、AIイラスト制作の参考にしてみてください。
自分に水や液体をかけるプロンプトの基本形
pouring onto self の構文と安定再現のポイント
それでは、さっそく見ていきましょう。
まずは、一番ベーシックで再現性の高い「液体をかける」プロンプトから解説していきます。

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内容 | プロンプト |
---|---|
自分に液体をかける | pouring onto self |
– 自分に水をかける | pouring water onto self |
– (状況補足用)ガラスコップを持っている | holding glass cup |
このプロンプトはキャラクターが自分自身に何かを注いでいる状態を再現するものです。ニュアンスとしては、わざとかける(演出的にかける)動作です。
特に細かく指定しないときは、だいたいは「水を自分にかける」イラストとして生成されます。注ぐものを明確にしたい場合は、「pouring water onto self」のように記述します。この「water」の部分は、他の飲み物や絵の具など、任意の液体に変更できます。
また、「holding glass cup」のように、液体を注ぐ動作の原因となるアイテムをキャラクターが持っている状態を記述しておくと、再現性が安定します。
pouring over self との違いと使い分け
似たような記述方法に「pouring over self」というものがあります。
「onto」と「over」では、ニュアンスが少し異なります。
「onto」は、液体が上から注がれ、注がれた場所にそのまま留まるようなイメージです。一方、「over」は、液体がバシャっとかかり、表面を通過してそのまま流れ落ちていくようなイメージになります。
現在の画像生成AIでは、これらを厳密に使い分けることは難しいですが、具体的に再現したいイラストのイメージがある場合には、この2種類の違いを一応覚えておくと役立ちます。
液体をかけるプロンプト | ニュアンス |
---|---|
pouring onto self | 液体が表面に着地し、そこに一時的に留まるようなイメージ |
pouring over self | 液体が表面全体を覆い、通過して流れ落ちるイメージ |
色付き液体の指定方法とプロンプト一覧
青色の液体をかける

blue liquid
紫色の液体をかける

purple liquid
緑色の液体をかける

green liquid
黄色の液体をかける

yellow liquid
橙色の液体をかける

orange liquid
宇宙色の液体をかける

space galaxy liquid
内容 | プロンプト |
---|---|
青色の液体をかける | pouring blue liquid onto self |
紫色の液体をかける | pouring purple liquid onto self |
緑色の液体をかける | pouring green liquid onto self |
黄色の液体をかける | pouring yellow liquid onto self |
橙色の液体をかける | pouring orange liquid onto self |
宇宙色の液体をかける | pouring space galaxy liquid onto self |
– [任意の色]の液体をかける | pouring [color] liquid onto self |
こんなふうに、さまざまな液体を注ぐ状態を再現することができます。
「space galaxy(銀河)」は本来液体ではありませんが、これはAIならではの表現です。宇宙模様の液体をキャラクターに注ぐようなイメージで、非現実的なイラストをつくることができるのも、面白いところです。
液体をかける部位を指定するプロンプトの書き方
続いては、液体をかける体の部位を指定するプロンプトと、その書き方を紹介していきます。
頭に液体をかける

pouring onto head
髪に液体をかける

pouring onto hair
胸に液体をかける

pouring onto chest
脚に液体をかける

pouring onto leg
内容 | プロンプト |
---|---|
頭に水(液体)をかける | pouring onto head |
髪に水(液体)をかける | pouring onto hair |
胸に水(液体)をかける | pouring onto chest |
脚に水(液体)をかける | pouring over leg, water on leg, leg focus |
脚にかける場合は、「over」を使うほうが適しているかもしれません。このプロンプトを使うと、多くの場合、液体が顔や胸まわりにかかる動作として生成される傾向があります。
そのため、脚に注ぎたい場合には、「water on leg」など、水が脚にかかっていることを明示するプロンプトをあわせて使うと、再現性が安定しやすくなります。

内容 | プロンプト |
---|---|
胸元に水などが溜まる | bust cup, pouring water onto self |
ペットボトルの水を注いで、その水が一時的に胸元に溜まるような描写を再現することができます。
コップや容器に液体を注ぐプロンプト
ここまでに紹介したプロンプトを応用すると、液体をガラスのコップに注いでいるシーンなども再現できます。
たとえば「pouring water into glass(水をコップに注ぐ)」のように記述し、”onto” を “into” に変えるだけでOKです。
基本の形は以下のようになります:
pouring [液体] into [注がれるアイテム]
イラストの最後には一覧表も掲載しており、再現度を高めるための補助プロンプトもあわせて紹介しています。
水をコップに注ぐ

pouring water into water glass cup
コーヒーをカップに注ぐ

pouring coffee into ceramic mug
ワインをグラスに注ぐ

pouring red wine into wine glass
ミルクをシリアルにかける

pouring milk into cereal bowl
蜂蜜をパンケーキにかける

pouring honey onto pancakes
花に水をあげる

pouring water onto flowers
ラーメンカップにお湯を注ぐ

pouring water into instant noodle
ビールをジョッキに注ぐ

pouring beer into glass mug
内容 | プロンプト |
---|---|
水をコップに注ぐ | pouring water into water glass cup, tilting water bottle, looking at water bottle |
コーヒーをカップに注ぐ | pouring coffee into ceramic mug on table, tilting coffee pot, looking at ceramic mug |
ワインをグラスに注ぐ | pouring red wine into wine glass, tilting wine bottle, looking at wine glass |
ミルクをシリアルにかける | pouring milk into cereal bowl, tilting milk carton, looking at cereal bowl |
蜂蜜をパンケーキにかける | pouring honey onto pancakes, tilting honey jar, looking at pancakes |
花に水をあげる | pouring water onto flowers, tilting watering can, looking at flowers |
ラーメンカップにお湯を注ぐ ※再現難易度:やや高め | pouring water into instant noodle in broth, tilting kettle, water flowing from kettle, looking at instant noodle cup with opened lid, steam |
ジョッキにビールを注ぐ | pouring beer into glass mug, tilting beer pitcher, looking at glass mug |
ちなみに、以下の記事では、さまざまなコップの種類に対応したプロンプトを紹介しています。どの形状を指定すればどんなコップになるのかを知りたいときに、ぜひ活用してみてください。
他人に水や液体をかけるプロンプト
最後に、他人に液体をかけるプロンプトを紹介します。
このプロンプトを応用すれば、「他人に水をかける」という状況も再現できます。
今回は、真夏の部活動中にヤカンで水をかけるシーンを想定したシチュエーションを作成しました。全文プロンプトとあわせて紹介していきます。

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1girl, slender, standing, light blue short hair, red eyes, tareme, smile, tilting silver sports kettle, open mouth, pouring water onto another, water splash, face-to-face, feet out of frame, gym shirt with red hem, shorts,
1girl, gym shirt, shorts, sitting on ground, facing up, closed eyes, water on head, smile, open mouth, sweat,
内容 | プロンプト |
---|---|
他人に液体(水)をかける | pouring water onto another |
– (位置関係補強)二人が向かい合っている | face-to-face |
なお、”water” の部分は、別の液体に置き換えることも可能です。
ちなみに、ヤカンの形状がしっくりくるまで、ガチャる必要はあるかもです。謎の形になることが多めです。
まとめ
今回は、AIイラストで「液体をかける」シーンを再現するためのプロンプトについて、基礎から応用までを紹介してきました。
まずは「pouring onto self」のような基本構文を使った、自分に液体をかける描写。そして、「over」との違いを理解することで、より自然な水の動きを演出できることを解説しました。
さらに、色付きの液体を指定する方法や、髪・胸・脚などかける部位を明示するプロンプトによって、狙ったイメージをより安定して再現できるようになります。
中盤では、コップや容器に液体を注ぐ構文「into」の使い方や、そのバリエーションを整理しました。
また、後半では「他人に水をかける」シーンにも対応できるように、人物の位置関係まで含めたプロンプト例を紹介しています。
液体のプロンプトは、ちょっとした構文の違いで表現の幅が広がります。自分のイメージに合わせて、ぜひいろいろ試してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。