本記事では、ChatGPTの画像生成でイラストを作る際に使える構図・アングルのプロンプトを分かりやすくイラスト付きで解説します。どれもそのままプロンプトをコピペして使えるようになっています。
2025年3月25日、ChatGPTの画像生成機能がアップデートされ、日本語だけでも意図を正確に汲み取り、イラストに反映されるようになりました。これにより、英語プロンプト(呪文)に頼らず、直感的な指示で高品質な画像生成が可能に。本記事では、ChatGPTをはじめ、Stable Diffusionなど他の画像生成AIでも応用できる、効果的な構図・アングルのプロンプト40種類を図鑑形式で紹介しています。
なお、以下記事にて画像生成AIの動作・ポーズのプロンプトを解説しています。
イラスト構図の基本、定番アングル15種類をマスターしよう
まずは、もっともオーソドックスな15種類のプロンプトを紹介します。日本語と英語の両方のプロンプトがあります。どちらでも再現可能です。
アングル(構図)名 | 日本語での説明 | 英語プロンプト |
---|---|---|
正面アングル | キャラや物体を正面から見る構図 | front view / straight-on angle |
横向き(側面) | 真横から見た構図 | side view / profile view |
斜めアングル | 斜め45度の構図、よく使われる | three-quarter view / 3/4 angle |
上から見下ろし | キャラや風景を上から見る | top-down view / bird’s-eye view |
下から見上げ | キャラを下から見上げる構図 | low-angle view / worm’s-eye view |
背面(後ろ姿) | キャラの背中が見える構図 | back view |
アイレベル(目線の高さ) | 視線と同じ高さで自然な構図 | eye-level angle |
クローズアップ(アップ) | 顔や物体を画面いっぱいに写す | close-up |
バストアップ | 胸から上の構図 | bust shot / upper body shot |
カウボーイショット | 太ももより上を写した構図 | cowboy shot |
横からの構図 | キャラを真横から見た自然な構図 | from side |
自撮り構図 | キャラが自分でカメラを持って撮っている構図 | selfie / self-portrait angle |
ロングショット | 全身が入る遠目の構図 | full body / long shot |
オーバーショルダー | 肩越しに対象を見る構図 | over-the-shoulder shot |
ダッチアングル | カメラを傾けて不安定さを表現 | dutch angle / tilted angle |

front view
正面から見る構図

side view
真横から見た構図

three-quarter view
斜め45度の構図

top-down view
キャラや風景を上から見る

low-angle view
キャラを下から見上げる構図

back view
キャラの背中が見える構図

eye-level angle
視線と同じ高さで自然な構図

close-up
顔を画面いっぱいに写す

bust shot
胸から上の構図

cowboy shot
太ももより上を写した構図

from side
キャラを真横から見た自然な構図

selfie / self-portrait angle
キャラが自分でカメラを持って撮っている構図

full body
全身が入る遠目の構図

over-the-shoulder shot
肩越しに対象を見る構図

dutch angle
カメラを傾けて不安定さを表現
思い通りに描けない時の対処法【生成AIにうまく伝えるコツ】
構図によっては、最初の一回で思い通りの仕上がりにならないこともあります。
たとえば「自撮り風にしてほしい」と思っていたのに、カメラやスマホが映ってしまったり、アングルが少しズレていたり…。
でも、そこで「ちょっと違うかも」と思ったときに、AIと会話を重ねて、こちらの意図を丁寧に伝えていくことがとても大事です。
AIは指示された言葉をもとに画像を生成してくれますが、人間の「こうしてほしい」のニュアンスや目的までは、最初から完全に理解できない場合もあります。
そんな時に、「もう少しこういう角度で」「手は映さないでほしい」など、会話の中で少しずつ意図を共有していくことで、より理想に近づけることができます。
ChatGPT(GPT-4o)は、会話の文脈を引き継いで次のイラストを生成してくれます。もし上手くいかない時は、「もっとこうして欲しい」を伝えてみてください。
応用テクで差がつく、演出に効く構図&アングル集
構図・アングルはもっと細かく分類したり、ちょっと高度な構図テクニックもあります。ここからは応用編や演出重視の構図をいくつか紹介していきます。どれも効果的な構図を作れるのでお勧めです。
アングル・構図名 | 日本語での説明 | 英語プロンプト |
---|---|---|
パース強調(誇張) | 遠近感を強調した構図 | dynamic perspective / forced perspective |
フレームイン構図 | 窓やドアなど「枠」を使ってキャラを囲む構図 | framing composition / frame-in |
シルエット構図 | 光に照らされてシルエットだけが見える | silhouette shot |
パーツフォーカス構図 | 顔や手、目、口元など、身体の一部を強調 | partial close-up / body part focus |
リフレクション構図 | 鏡や水面などに映った姿を映す構図 | reflection shot / mirror composition |
シンメトリー構図 | 左右対称で整った構図 | symmetrical composition |
非対称バランス構図 | 意図的にバランスを崩し印象を強くする構図 | asymmetrical composition |
ローポジション構図 | 足元など低い位置から見上げるように写す | low-position shot |
トップライト構図 | 真上から光が当たって影が印象的な構図 | top lighting angle |
背景重視構図 | キャラを小さく、風景を広く描く | wide background shot / establishing shot |
奥行き強調構図 | 手前・中間・奥の三層を使って奥行きを演出 | deep focus composition |
視線誘導構図 | 見る人の視線が自然に誘導される構図 | leading lines / eye-guiding composition |

dynamic perspective
遠近感を強調した構図

framing composition
フレームイン構図

silhouette shot
光に照らされてシルエットだけが見える

partial close-up
顔や手、目、口元など、身体の一部を強調

reflection shot
鏡や水面などに映った姿を映す構図

symmetrical composition
左右対称で整った構図

asymmetrical composition
意図的にバランスを崩し印象を強くする構図

low-position shot
足元など低い位置から見上げるように写す

top lighting angle
真上から光が当たって影が印象的な構図

wide background shot
キャラを小さく、風景を広く描く

deep focus composition
手前・中間・奥の三層を使って奥行きを演出

leading lines
見る人の視線が自然に誘導される構図
映画みたいな一枚に、シネマティック構図のプロンプト集
「シネマティックアングル」ってどういう意味?
これは「映画的な構図・演出」で、必ずしも一つの角度じゃなくて、雰囲気・演出の全体感に関わる用語です。その中でもよく使われるアングルや構図を紹介します。
シネマティック演出でよく使われる構図たち
種類 | 日本語プロンプト | 英語プロンプト |
---|---|---|
シネマティッククローズアップ | 光と影で演出されたドラマチックなクローズアップ | cinematic close-up, dramatic lighting |
ローアングル+逆光 | 見上げ構図、逆光で空や光を背景に | cinematic low-angle with backlight |
ワイドショット(遠景) | 広い風景の中に小さく人物を配置したワイドショット | cinematic wide shot / landscape framing |
奥行きの強い構図 | 前景・中景・背景の三層で奥行きを演出する構図 | cinematic depth / foreground blur |
視線誘導の構図 | 光や線で視線が自然に主役へ向かう構図 | cinematic leading lines |
フィルムライクな構図 | 映画風の色調・16:9構図比率でフィルム調に仕上げる | film frame ratio, cinematic tones |
被写界深度の浅い構図 | 背景を大きくぼかし、主役を浮き立たせる構図 | shallow depth of field / cinematic bokeh |

cinematic close-up
光と影で演出されたドラマチックなクローズアップ

cinematic low-angle with backlight
見上げ構図、逆光で空や光を背景に

cinematic wide shot
広い風景の中に小さく人物を配置したワイドショット

cinematic depth
前景・中景・背景の三層で奥行きを演出する構図

cinematic leading lines
光や線で視線が自然に主役へ向かう構図

film frame ratio, cinematic tones
映画風の色調・16:9構図比率でフィルム調に仕上げる

shallow depth of field
背景を大きくぼかし、主役を浮き立たせる構図
なお、以下記事にて光(ライティング)を効果的に画像生成AIに活用する方法を解説しています。
他と差がつく、意外性のある構図&アングルまとめ
構図といえば正面や見上げ・見下ろしが定番ですが、ちょっと視点を変えるだけで、グッと印象的な一枚になることも。ここでは、そんな意外性のある構図やアングルを集めました。
「主観視点で物語に入り込ませる」
「光と影でドラマを演出する」
「空間や間(ま)を大胆に使う」など、
見る人の記憶に残るような印象強めの構図ばかりです。
イラストや演出にもう一味加えたいときに、ぜひ試してみてください
種類 | 日本語プロンプト | 英語プロンプト |
---|---|---|
POV視点(主観) | キャラの目線から見た視点構図 | POV shot / from character’s eyes |
オーバーヘッドショット | 少し離れた頭上からの視点構図 | overhead angle |
リアクションショット | 対象に反応するキャラのリアクションにフォーカスした構図 | reaction shot |
スローモーション構図 | 一瞬を切り取ったようなドラマチック構図 | dramatic slow-motion angle |
対称&ミニマル構図 | 空間を広く使い、主役を中央に配置したシンプル構図 | minimal symmetry composition |
ライト&シャドウ重視構図 | 光と影で空間を分割しドラマを演出する構図 | chiaroscuro / dramatic contrast |

POV shot
キャラの目線から見た視点構図

overhead angle
少し離れた頭上からの視点構図

reaction shot
対象に反応するキャラのリアクションにフォーカスした構図

dramatic slow-motion angle
一瞬を切り取ったようなドラマチック構図

minimal symmetry composition
空間を広く使い、主役を中央に配置したシンプル構図

chiaroscuro
光と影で空間を分割しドラマを演出する構図
まとめ|構図・アングルでイラストの雰囲気が劇的に変わる
今回、40種類の構図・アングルを通してイラストを紹介しました。驚いたのは、同一のキャラクターを継続して生成し続けることができた点です。これまでのChatGPT(GPT-4o)の画像生成では、同じキャラクターを維持し続けるのは非常に難しく、途中で髪型や顔立ちが変わってしまうことも珍しくありませんでした。しかし、今回は40回もの生成にわたって、キャラクターの印象を保ち続けてくれたことに、大きな進化を感じました。ほんとびっくりです。
構図やアングルは、イラストの印象を大きく左右する非常に大切な要素です。同じキャラクター、同じ表情であっても、「どこから見るか」「どの範囲を描くか」によって、見る人に伝わる感情や空気感はまったく違ったものになります。
たとえば、正面から見た自然な構図は親しみやすさを演出し、下から見上げるアングルはキャラクターに迫力や尊さを与えます。遠景からのショットであれば、孤独感や広がりのあるスケール感を感じさせることができます。
イラストに印象的な雰囲気を出したいとき、まず意識したいのがこの「構図」と「アングル」です。表現したい印象に合わせて、視点や切り取り方を工夫してみることで、作品全体の魅力が大きく変わってくるのでぜひ色々と試してください。
以下記事にて、画像生成AIで利用できる画風・アートスタイルについて解説しています。参考にしていただけたら嬉しいです。
コメント