立ち絵×全身画像の正しいプロンプト設計|AIで見切れず描くコツまとめ【ChatGPT】

立ち絵×全身画像の正しいプロンプト設計|AIで見切れず描くコツまとめ【ChatGPT】 画像生成AI

本記事では、画像生成AIを使ってキャラクターの全身像や立ち絵を安定して描写するためのプロンプトのコツを解説します。

意外と、立ち絵イラストでキャラクターの全身までしっかり映っている例は多くありません。画像生成AIは、構図のバランスを優先して平均的な画角を取る傾向があるため、全身像を見切れずに描写させるには、プロンプトで明確に「全身を写す」と指示する必要があります。

本記事では、「全身が出ない」「足元が切れる」といった失敗を防ぎつつ、イラストとして自然な全身構図を成立させる方法と、立ち絵素材として活用できる全身イラストを安定して生成するプロンプト設計について解説します。

なお以下記事にて、画像生成AIにおけるポーズ指定のプロンプトを紹介しています。併せてご活用ください。

全身像や立ち絵を安定して描かせるための基本プロンプト集

以下は、AIに全身構図のイラストを指示する際に使える、もっとも基本的なプロンプトです。
全身像生成において最も汎用的かつ安定して効果があるのが「full-body shot」という表現です。キャラクターを頭からつま先まで描かせたい場合は、まずこの全身プロンプトを組み込むことが、基本となります。

英語プロンプト要素日本語訳(意味)
full-body shot全身ショット(頭から足まで描写)
vertical composition縦構図(縦長で全身を収める)
captured from a distance距離を取った構図(引いた視点)
entire figure visible人物全体が見えている(体のどこも切れない)

※補足:feet out of frameを使用すると、ちょうど脛あたりから見切れてスタイルをよく見せるテクニックとして使われます。全身構図ではありませんが、これもよく使われるプロンプトのため紹介しておきます。

足元を確実に構図内に収めるためには、「足元付近に意味を持たせる要素(≒主題化)」を加えることで、AIの構図意識を明確にコントロールできます。

全身画像がきれいに収まった成功プロンプト例

ChatGPT画像生成による全身イラストのサンプル
プロンプト

full-body vertical composition, anime-style illustration of a stylish Japanese girl standing at the edge of a crosswalk in a busy city street, dressed in colorful Harajuku-style street fashion. She wears a layered sheer long-sleeve top over a printed T-shirt, a pleated color-block mini skirt with belt accessories,

全身構図を指示して上手くいくと、このように全身がしっかりと画面内に収まります。頭からつま先まで入ってくれます。

これは全身の立ち絵が上手くいった例です。ちなみにChatGPTの場合は、「絶対に全身を入れてください!!」などと日本語で強調すると上手くいく場合もあります。これはChatGPTの会話モデルのAIが、画像生成AIにプロンプトを渡す時に「全身強調」を伝えてくれるためです。


足元が切れた全身構図の失敗例と原因の分析

ChatGPTによる画像生成、全身構図で微妙に足元が見切れたサンプルイラスト
プロンプト

full-body vertical composition, anime-style illustration of a fashionable Japanese college girl standing on a city station plaza in the early evening, holding her smartphone casually in one hand. She wears an oversized black hoodie, gray short pants, black tights, and stylish white platform sneakers with neon accents. One earphone dangles from her left ear.

おしい‥。

全身指示のプロンプトは同じでしたが、微妙に見切れてしまった例です。これはまだマシなほうですが、「全身」を指示しているのに、顔が崩れたり、バストアップ気味になることもあります。


これもよくある失敗例のひとつで、足元までしっかり描かせようとした結果、逆に顔がフレーム外に見切れてしまったパターンです。
構図全体のバランスが不自然になり、全身構図の生成には思わぬ落とし穴があります。

全身を描かせるプロンプト設計は一見シンプルに見えて、実は案外むずかしいものです。

最近は画像生成AIの機能性が大幅に向上しているのでいいのですが、昔はこれを改善させようとして数時間沼ったこともあります。


足元がギリギリで、画面下に余白がない――
こうした現象は、縦構図で全身描写を狙う際に起こりがちな「構図トリミング問題」の典型例です。

画像生成AIでキャラクターを頭からつま先までしっかり収めたいのに上手くいかない、その大きな原因は「足元まわりの情報がプロンプト内に不足していること」にあります。

AIは、人物を構図内に最大限フィットさせようとする一方で、足元に明確な意味づけがされていないと、省略しても問題ないと判断しがちです。
その結果、太ももから上だけが映る「cowboy shot」構図になってしまうことも少なくありません。

こうした見切れを回避するためには、いくつかの有効なプロンプトテクニックがあります。

全身画像生成で見切れを防ぐ「足元の演出」テクニック

全身構図の立ち絵を成功させるための基本的な考え方は、足元に意味を持たせることです。

画像生成AIは、ユーザーが明示的に重視していない要素を省略する傾向があります。これは画像だけでなくテキスト生成でも同様です。そのため、足元付近に関する情報がプロンプトに含まれていない場合、AIは「足元は描写しなくても構わない」と判断してしまいがちです。

この章では、全身構図の成功率を高めるうえで最も効果的なアプローチ――足元に意味を与えるプロンプトのコツを詳しく解説していきます。

地面との接点を明示して足元を描かせるプロンプト設計術

演出アイデア意図・効果
水たまりに映る足元の反射足元に美しい映り込み → 描写価値UP
地面に落ちた影が靴と絡む光と人物の関係性を表現 → 芸術的構図になりやすい
足元に吹いた落ち葉・花びら季節感+動きのある演出 → 地面に視線誘導が生まれる
踏みつけている何か(新聞、レシート)行動や感情のヒント → 足元にストーリー性が生まれる

with a large puddle beneath her reflecting her full figure clearly

the shadow of her figure stretches forward across the tiled pavement


A cluster of petals has gathered around her feet, while others are gently drifting past.

the shadow of her figure stretches forward across the tiled pavement

上記の作例のように、足元に意味を持たせる描写をプロンプトで明示的に指示することで、画像生成AIによる全身構図の再現は格段に成功しやすくなります。

構図強化に使える足元演出プロンプト一覧

ここからは、さらに全身構図の成功率を高めるために効果的な足元の演出アイデアとプロンプト表現を紹介します。
どれも足元を構図内にしっかり収めるだけでなく、イラスト全体に自然なストーリー性を加える演出としても活用できるため、とてもおすすめです。

足元の周囲に要素を置いて空間性を持たせる
演出アイデア英語プロンプト表現例
地面に置かれた買い物袋a shopping bag placed beside her feet
脱ぎかけの靴 or 踏み外しかけのスリッパone shoe slightly slipped off her heel
コンビニ袋の影が靴にかかるthe shadow of a plastic bag falls across her shoes
足元で戯れる小動物(猫・鳩・カラス)a small cat playfully brushing against her ankles
白線・階段・タイルで足元を自然に強調する方法
演出アイデア英語プロンプト表現例
白線・点字ブロックが靴に沿って走るwhite crosswalk lines running along her shoes
階段の段差に足がかかっているone foot resting on the edge of a step
床のタイルが放射状に広がる(消失点)pavement tiles arranged in a radial pattern pointing toward her feet
感情や時間を暗示する足元の小道具演出テクニック
演出アイデア英語プロンプト表現例
壊れたヒール or 汚れた靴の裏the worn sole of her heel is slightly visible
転がったビー玉・落とした鍵a small key lies unnoticed near her toes
足元に散らばる写真やプリントscattered photographs around her feet, some caught in the wind

靴のプロンプト指定で全身構図を成立させるコツ

ここでは、足元まわりの描写をシンプルに抑えながらも、全身構図をしっかり成立させるためのテクニックを紹介します。

前章のように足元に演出を加える方法は非常に有効ですが、場面や作風によっては、足元をあまり目立たせずに全身を自然に収めたいケースもあります。
そういった場合に使えるプロンプト設計の工夫を、いくつか具体的に見ていきましょう。

靴の質感・形状・色を明示してAIに描かせる

プロンプト

anime-style illustration, full-body vertical composition of a fashionable young woman standing on a stylish city street in early spring. She has long silver wavy hair that cascades over her shoulders. She wears a sheer white blouse with soft blue tones and a ribbon at the collar, paired with a muted lavender pleated skirt. Her outfit is completed by elegant lace-up leather boots with a subtle gray and pink design, polished and eye-catching.

グレーとピンクの繊細なデザインのエレガントなレースアップのレザーブーツ」というプロンプトを指定しています。


プロンプト

anime-style illustration, full-body vertical composition of a high-fashion model standing still in a white cyclorama studio. She wears a fitted black long-sleeve top and a red tartan pleated skirt that falls to mid-thigh. Her legs are covered by sleek, glossy black leather knee-high boots with a sharp silhouette. Her silver hair is styled neatly, and she holds a powerful, composed pose.

シャープなシルエットの光沢のある黒革のニーハイブーツ」を靴のプロンプトとして指定。

立ち絵・全身構図で使える|靴の指定プロンプト集

画像生成AIでよく使用される靴を、そのまま使えるプロンプト形式で紹介します。靴を細かく指示することで、AIが足元を重要な描写対象と認識し、見切れず描写される確率が高まります。

靴タイプ英語プロンプト例補足説明
ローファーclassic black leather loafers with a low heel and rounded toe制服や学生コーデ向け。ツヤを抑えた黒レザーが基本形。
ロングブーツblack knee-high leather boots with a simple design and subtle shineモード・冬服などの定番。装飾なしでミニマルに。
バレエシューズplain black ballet flats with a small bow on the frontフェミニン系で使用率高。先端のリボンが特徴。
スニーカーwhite low-top sneakers with a clean, minimal designユニセックスかつ万能。余計な装飾なしの白が基本。
ヒールパンプスblack pointed-toe pumps with a medium heel and glossy finish大人っぽい印象を与える基本のヒール靴。
アンクルブーツsuede beige ankle boots with a short block heel and side zipper秋冬の全身コーデで使用率高。マットな質感が鍵。

立ち絵用の全身画像を安定して作るプロンプト例

ここでは、立ち絵素材として使える全身イラストを、画像生成AIに正しく認識させて描かせる方法を解説します。
具体的にどういったプロンプトを使えば、切り抜きしやすい立ち絵として全身がしっかり収まるのか――その指示内容を以下にまとめました。

要素推奨英語表現例
キャラ単体の構図character standing alone
背景を排除/簡素化plain background / white background / neutral backdrop
全身明示entire body visible / full-body shot
構図調整要求with extra space above the head and below the feet
正面構図 or 定位置neutral standing pose / standing still, facing forward
素材用途を説明illustration intended for character reference or visual material

Live2D・立ち絵素材向けに使える作例とプロンプト

プロンプト

anime-style character reference illustration, full-body vertical composition, featuring a cheerful teenage girl standing in a neutral pose for use as a Live2D virtual avatar. She has shoulder-length ash pink hair styled in an outward bob, and wears an oversized pastel hoodie with a small graphic logo. Her bottoms are casual denim shorts, paired with black high socks and stylish sneakers.

この作例は、Live2DモデルやVTuberの配信用アバター素材としての利用を想定し、AIに「全身の立ち絵を明示的に描写する」よう指示して生成したものです。
特に以下のような用途で活用したい場合に便利です。

  • Live2Dや2Dゲーム向けの立ち絵素材
  • ゲームキャラクターのプロファイル用イラストや紹介カード
  • 背景干渉のない、切り抜きしやすい構図での全身イラスト生成
  • UIパーツやキャラビジュアルなど、全身が必要とされるイラスト素材全般

全身構図を成功させる補助プロンプトと追加テクニック集

これまでに紹介したもの以外の、全身構図をAIに正確に指示するための補助的なプロンプトを紹介します。
プロンプト全体の構成や表現を工夫し、複数の指示を組み合わせることで、全身が見切れずに収まりやすくなり、成功率をさらに高めることができます。

足元を見切らせないための地面延長プロンプト

「構図の下に空間がある」ことをAIに認識させるための指示

指示内容英語プロンプト(呪文)
足元の下にも地面が続いていることを明示するground extending downward beyond her feet
地面にパースがかかっており、視線が下方向に引かれるvanishing lines continuing below her
足元の前景として舗装された床面がはっきり見えているforeground pavement visible

足元の省略を防ぐ明示的なプロンプト集

足元まわりをとにかくAIに注目させる指示

指示内容英語プロンプト(呪文)
足元が完全に見えている(足先までしっかり描写)feet fully visible
靴がはっきり描かれている(靴の形や色まで明確)shoes clearly shown
足元が切り取られていない(構図の外に出ていない)no cropping at the feet
下端で何も切れていない(足先含めすべてが画面内に収まっている)nothing cut off at the bottom
足がフレームの下端に接していない(=少し余白がある)feet not touching the bottom edge of the frame
足の下に地面が見えている(地面が明示的に描写されている)visible ground below the feet
足元に呼吸できる空間(余白)があるbreathing room underfoot

全身が自然に収まる構図バランスと距離感の指定法

全身を自然にフレーム内に収めるためのカメラ距離と空間指示

指示内容英語プロンプト(呪文)
少し引いた視点から撮影し、人物全体が自然に映る構図にするframed from a slight distance
被写体の上下左右に余白を持たせ、構図に余裕を与えるshot with room to breathe
キャラの周囲に空間があり、フレーム内で圧迫感がないcomposed with space around the subject
頭と足がフレームの上下にバランスよく配置されているhead and feet centered with margin above and below

中々AIが言うことを聞いてくれない場合、上記の指示プロンプトを複数組み合わせると成功率が上がります。ChatGPTの場合はそれに加えて日本語でも「全身画像を重視してください」と言うように指示することでも成功率は高まります。

まとめ|失敗しない全身・立ち絵生成のチェックリスト

画像生成AIで「キャラの全身がちゃんと入った立ち絵」を描かせたいときのコツを今回は紹介しました。中々うまく成功しない時は以下のチェック項目を参考に、少しずつプロンプトを調整してみるのがおすすめです。

※全身がうまく出ないときは、以下の項目を少しずつ足して調整してみましょう。

full-body shot などの基本プロンプトを入れる

全身を描かせたい場合、full-body shotentire figure visible といった明確なキーワードを使うと安定します。構図を縦向きに整える vertical composition もセットで入れるとより効果的です。

足元に意味のある要素を加えてみる

画像生成AIは、意味のない領域を省略する傾向があります。
水たまり・影・落ち葉・足元の小道具などを添えることで、AIに「ここも描くべき場所」と認識させやすくなります。

地面や足元に余白ができるような指示を足してみる

足元がギリギリで切れる場合は、ground extending downwardvisible ground below the feet のように、構図の下方向の余白を示す表現を入れると効果的です。

靴の描写を少しだけ詳しくしてみる

靴の色や素材、デザインを軽く指定することで、AIが「描くべき部位」として認識しやすくなります。例:elegant leather ankle boots など。

少し引いた構図に変えてみる

framed from a slight distanceroom to breathe を使うと、キャラ全体が自然にフレーム内に収まりやすくなります。

立ち絵素材として使いたい場合は、構図と背景も意識する

Live2Dや紹介用などの用途では、plain white backgroundneutral posestanding still, facing forward などで加工しやすい素材になります。

どれかひとつを加えるだけでも、AIの構図判断は変わります。
うまくいかないときはAIに意味を伝えるように調整するのがコツです。
全身画像の立ち絵が上手く反映されない時は、ぜひ活用してみてください。

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